私の「親家片」体験

母が住んでいた実家をリフォームして同居 第2話 ~捨てようとすると涙ぐむ母を説得~

家具や衣類のほかに年代物の道具まで……捨てるのを嫌がる母を説得 三ケ尻晃子さん 東京都・56歳

 

母親との同居をきっかけに、親家片を開始した三ケ尻さん。母の住む実家のリフォーム開始までは、たったの1ヶ月。この間に片づけをしなければならなかった……。

 

「室内は一見、きれいに片づいていたのですが、棚を開けるたびにぼうぜんとしました。奥のほうまでモノがぎっしり詰まっていたんです。押入れにも物置にも、すき間なくモノが入っていました」

物置からは大正時代の火鉢が5台、こたつは4台も出てきた。

「押入れには祖母がお嫁入りのときに持ってきた絹の客用布団が10組もありました。親戚や友人が泊まることもなくなっているのに、古い客用布団などいらないですよね。でも母は、祖母が大切にしていた布団だからといって、手放すのをしぶりました」

 

広いクローゼットには、洋裁用の生地が詰まったプラスチックケース30個がうず高く積み上がっていた。

「母の趣味は洋裁。気に入った生地を見つけては買いためていたんです。それがいつの間にか、膨大な量にふくれ上がっていました」

ほかにも不用な家具、衣類、道具類がたくさん。しかし、公子さんはどれも処分することをいやがった。思い出が詰まっているものを手放すのはせつないと訴える。まるで大切な記憶まで一緒に捨ててしまうような気がする、と。

「私が捨てようとすると、母は涙ぐむこともありました」

 

なんとか公子さんを説得し、火鉢や客用布団を手放すことだけは了承してもらった。

「リフォーム業者に捨ててもらったものは2トントラック3台分でした」

 

やってもやっても終わらない。やっとの思いで引っ越したが……

 

しかし、6トン分の荷物を捨てたと思えないほど、家の中にはまだ山のようにモノが残されていた。そんななか、リフォーム工事がスタート。工事は2カ月に及んだ。その期間、三ヶ尻さんは自分の家の片づけに追われた。

「実家に持ち込むものを厳選しました。家具や台所用品などのダブリをなんとかしなければいけなくて。自分の家財道具も、ずいぶん手放しました。もう捨てるものがないというくらい捨てたんです」

 

そして実家の工事が終了。7月、三ヶ尻さん夫妻と娘さんの3人が実家に引っ越した。

「実はその日こそが本格的な片づけの幕開けでした」

 

第3話に続きます