私の「親家片」体験

親家片を通して、両親の人生を少しずつ感じる日々 第1話 ~売却が決まり、2カ月で親家片~

迷ったら持ち帰る。自宅と往復の日々が始まる
関澤美香さん 54歳・神奈川県

 

玄関を入ると、正面のテーブルに置かれた世界各国の民族衣装の人形が私を迎えてくれます。

これは海外出張に行く父を羽田に見送りに行ったときに買ってもらったもの。トイレの棚にも小さな人形が並んでいます。居間の食器棚にもこけしやピエロ……これらはすべて、母が大切に持ち続けてくれたものです。

 

ピアノ室には母のお琴、電子ピアノやアイロン台には母の手編みのカバー、壁には額装されたエジプトのパピルス、クローゼットには両親が残した手紙や日記、そしてアルバムが山と積まれています。

親家片で迷ったものは、とりあえずわが家に持ち帰ってきました。

 

夜通し続く親家片。「誰でも通る道」と奮い立たせ……

 

昨年7月、父が83歳で、母の十三回忌をすませてほっとしたかのように亡くなりました。

父は母のものを何ひとつ処分していなかったため、110㎡のマンションに残されたものがすべて、ひとりっ子の私に託されました。

そして今年1月、マンションの処分を考え、オープンハウスをしたら、あっという間に買い手がつき、3月に引き渡しに。限られた時間で親家片をすることになってしまったのです。車で45分の父のマンションとの往復が始まりました。

予想以上に大変な作業でした。家族には「片づけている間は家のことはできない」と宣言し、バックアップを頼みました。といっても仕事は休むわけにはいかないので、夜も片づけることになり、何度か泊まったことも。つらくなったときは「誰でも通る道だから!」と自分に言い聞かせて手を動かしました。

 

第2話に続きます