私の「親家片」体験

借地権は立派な相続財産、売却も可能 第2話 ~相続のはずが売却へ方向転換~

 借地権も相続できる! 権利を地主以外に売却することも可能
山崎香織さん 神奈川県・45歳

 

「実は私自身は借地権のことなんて何も知らず、誰も住んでいないのに月に5万円も払うなんてばかばかしいので、借地契約などさっさと解除してしまおうと考えていました。兄も最初は借地権のことなど知らなかったでしょうから、兄が私と同じ意見だったら、1円も手にせず契約を解除して終わりだったかもしれませんね」
山崎さんの兄は、借地に建つ家をそのまま自分の家として残すにあたって、問題がないかどうかを調べたのだという。

「そもそも借地に建っている家は、土地は借地でも家は自分たちのものなんだからいったいどうなるのかとか、借地権を解除する場合に家はどうなるのかとか、考えてみれば不明なことばかりですよね。私は土地を貸してくれているお隣の地主さんがとくに何も言ってこないので、あまり考えていませんでしたが、引き続きこの家に住もうと考えていた兄はいろいろ気になって調べたようです」

 

借地をめぐっては、相続問題になるケースも少なくない。山崎さんのように土地を借りている側の相続もあれば、土地を貸している側の相続の問題もある。複雑化するのは、むしろ貸している側の相続で、土地を処分して遺産分割したいケースでは、借地人から権利を買い戻す資金が必要になるし、そもそも借地人がOKしないことには土地を処分することができないなど問題が多い。

 

売却を後押ししたのは、兄の子の英国留学

いずれにせよ借地権や借家権は相続できる。また、借地権は売買が可能で、地価の高い地域では高額で取り引きされている。このことを山崎さんが兄から聞いたのは、兄が突然、「売却しよう」と言い出したときだ。

 

山崎さんの兄が借地の継続から売却へ考えを変えたのは、子どもの英国留学希望を聞いたことによる。英国の大学へ留学ともなれば、少なくとも年間400万円は必要になる。2年間としても旅費なども含めれば、1000万円に近い金額だ。山崎さんの兄は、父母の家の借地権を売却して、その資金の一部にしようと思い直したのだろう。

 

第3話へ続きます