私の「親家片」体験

親の家を売却し、同居できる家を新築 第3話(最終話) ~支出と収入、転居のタイミングをコントロール~

資金負担を軽くするテクニック
出ていくお金と入ってくるお金のタイミングを合わせる 湯川光子さん 愛知県・44歳

 

相談から3か月、何度か話し合いを重ねるうちに、住宅メーカーから義母が住む長野の家と、湯川さん夫妻の現在の住まいの査定が出た。

 

敷地面積380㎡の長野の家は、建物つきで約3600万円、義母に金額を告げると「そんなに高い値段で売れるのか!」と驚いた様子だった。いま住んでいる敷地面積180㎡の名古屋市内の住まいは、建物つきで約3500万円だった。
新居を建てる高低差のない土地も見つかった。こちらの値段は240㎡で5600万円。

この土地に建てるバリアフリー設計の新居の建築に約4000万円。

「支出額がおよそ9600万円で、売却収入が約7100万円、差額の2500万円を住宅ローンで借り入れることにしました。もともと予算は家2軒を売ったお金と夫の退職金の合計の範囲内という心積もりだったのですが、それよりはだいぶ余裕がありました」

 

査定額と実際の売却価格に差があることは不動産売買では珍しくないが、湯川さんのケースではほとんど差はなかった。
「土地の購入と家の売却、家の新築と住宅ローン、出ていくお金と入ってくるお金のタイミングは、住宅メーカーのほうで合わせてくれました。保証金などの一時金は支払いましたが、ほとんどお金を動かすことがなかったので、資金繰りに気を使うことはありませんでした。土地代金だけでも大きなお金なので、そこはいろんな意味で大手住宅メーカーが間にいて安心でした」
湯川さんの場合、空き家となる家を買ってくれる人が2人、新居の土地を売ってくれる人が1人、それぞれに都合があるはずなので、この「売却・入金」と「購入・支払い」のタイミングをスムーズにコントロールできたのは、やはり大手住宅メーカーの信用があればこそだっただろう。

義母の家の片づけは引っ越しに合わせて計画したが
結局、最後の一日であわただしく片づけて残りは廃棄業者におまかせ

 

新居完成を2か月後に控え、湯川さんは長野の家の片づけに取りかかった。

「幸いに、土地は建物つきのまま売却することになったので、大手住宅メーカーグループの現地不動産部門に、残してもよさそうな家具を見立ててもらいました。大型家具はそのまま残せたので、これはラッキーでした」
長野の家の片づけには、名古屋と長野の往復を4回、義母の身の回りのものや父の形見などをまとめ、さらに残すもの、捨てるものを仕分けた。引っ越しの1週間前に湯川さんが、引っ越しの前日には湯川さんの夫もやってきて、最後の後片づけをすませた。
「大型家具は残せたものの、家には驚くほどいろいろなものがありました。ほとんど新居には必要のないものでしたが、義母に向かって捨てましょうとも言えず困りました。結局、明日が引っ越しという日になって、不動産会社の人にも手伝ってもらって、なんとか片づけたのを覚えています。おかげで自分たちの引っ越しは、片づける間もなくとりあえず全部新居に運びました」

 

(完)