私の「親家片」体験

不動産会社のアドバイスで売却に成功! 第1話 ~建物の価値をアピール~

中古住宅として売り出したほうが売れる! と不動産会社が判断した親の家  河野裕子さん 東京都・53歳

 

「耐震補強がしっかりしているし、外装の状態もいい。中古住宅として売りましょう。内装については、リフォームする、しないの判断は売主さんにおまかせします」
親の家を売ると決めたとき、河野さんは不動産会社からこう言われたそうだ。
河野さんの実家は、十分住まいとしての価値があるので、建物の価値をアピールし「中古住宅の売り出し」としたほうが売れると、不動産会社は判断したのだろう。中古住宅にも一定の需要はあるそうだ。
「土地・古家つき」よりも、中古住宅のほうが建物の価値が売価に反映されるので高値となる。中古住宅のほうが「そのまま住むこともできる」ので、買い手の中には有利な条件ととらえる人もいる。つまり、不動産会社は河野さんの実家を売るなら、「土地・古家つき」よりも「中古住宅」として売り出したほうがより売りやすいと判断したわけだ。

 

河野さんの実家は、延床面積およそ100㎡の木造2階建て住宅。土地は250㎡。築10年以上の物件である。新築ではない住宅は、基本的に「中古」か「古家」のいずれかの扱いになるが、明確な定義があるわけではない。中古と古家の区別は築年数によることが多く、築年数が15〜20年以上なら古家とされるのが一般的だ。

 

父母が亡くなり空き家となった実家の相続
売却を見据えて三姉妹の長女である河野さん名義に

 

河野さんは三姉妹。姉妹はいずれも結婚していて、子どもをもうけている。

実家は北関東の新幹線の停車駅から在来線で3駅ほど。車で少し走れば田園風景が広がるが、地方では開けているほうで、近くにはショッピングモールなど商業施設も集積している。

河野さんの父親は、70歳を前に他界。5年前のことである。その後、ひとり暮らしをしていた母親も70歳をわずかに超えた3年前に亡くなった。実家を相続することになった三姉妹は、その処分を急ぐために、早めに話し合いの場を持つことを母の葬儀直後に確認し合ったそうだ。

 

「私たち三姉妹は仲がいいし、それぞれの夫も私たちの相続に口出しなどしませんでした。『好きにすればいい』といった雰囲気でしたね。もちろん、そのまま残すに越したことはないのですが、現実はそうはいきません」
河野さんも、地元に残っている妹たちもそれぞれ夫の実家住まい、移り住むことはできなかったのだ。

 

「『将来、私たちの子どもの誰かが住まないかしら』といった話題も出ましたが、それも現実的ではなく、結局は家の処分よりも、父や母との思い出話で盛り上がっただけの会合だったかもしれません」

結論として、実家は1年間は空き家のままにすることにした。ただし、将来的に売却するにせよ賃貸に出すにせよ、あるいはそのままにするにせよ、名義は母親から長女である河野さんに変更することで一致。
固定資産税の支払いも河野さんが負担することになった。

 

「近所に住む妹たちがときどき見回ることになりました。その間に、父母の形見や思い出の品などはそれぞれが持ち帰ることで整理し、1年後のことは、また会って決めようということになりました」

 

第2話へ続きます