私の「親家片」体験

母親と同居。親の家の片づけが終わらない 第1話 ~実家に同居後、一緒に住みながら片づけ続行中のケース~

父亡きあと、ひとり暮らしだった母がある日、玄関で倒れていて…… 小松玲子さん 神奈川県・58歳

 

「つくづく両親がまだ元気で判断力もあった時期に、不用品を処分しておいてもらいたかったなと思います。だけど、親はモノが捨てられない世代。私がどんなに説得しても無駄だった気もします」

 

小松さんの神奈川県にある実家は2階建ての一軒家。約40年前に建てかえた当時は、祖母と両親、兄、小松さんの5人が暮らしていた。しかしほどなく、子どもたちは独立。祖母も亡くなり、以降、両親の二人暮らしに。

 

一昨年、父親が4年間の闘病後に88歳で死去。小松さんと兄が協力して父親のものを片づけることになった。

「生活スペースである1階の戸棚や収納家具を開けたら、山のように父の服が入っていました。ジーンズだけでも、きれいな状態のものが何本も出てきたんです。父はとてもおしゃれで、近所の病院に検査に行くときでも、きちんとジャケットを着て、コートをはおるような人でした。きれいなスーツやジャケット類は、父親の友人で着ていただけるかたにもらっていただき、それ以外は思いきって捨てました」

 

この機会にと、母親の不用品も処分することにした。

「当時82歳の母は、数年前に脳梗塞で倒れ、右半身にまひが残っていました。右手が使えず足も不自由だったんです。それで兄と相談し、衣類や雑貨など、これはもう使わないだろうと明らかに思えるものは処分しようとしました」

だが、これが遅々として進まない。母親はかつて夫に買ってもらったものを突然思い出しては、「あれは、どこにあるの?」と小松さんに何度も尋ねる。見つからないと言うと、目を三角にして探し始める。

 

「きのう、きょうのことは忘れるのに、昔のことは不思議なほどよく憶えているんですよ。処分したことを説明しても、受け入れてもらえない。それで、途中から、母のものに手をつけるのはいっさいやめることにしました」

 

母が倒れたのをきっかけに同居を決めるが……

当時、小松さんは職場への通勤が便利な都内でひとり暮らしをしていた。それでもひとり暮らしになった母のことが心配で、毎日のように、仕事が終わると実家に行き、食事や身の回りの世話をしていたという。

 

「一昨年の冬、いつものように実家に行ったんです。玄関を開けたら、そこに母が倒れていたので、ぞっとしました。幸い意識はあったのですが、“よろけて倒れたら、起きられなくなったの……”と。このとき、母がひとりで暮らすのはもう無理だと悟りました。実家に戻って同居しようと決めました」

 

そこで、小松さんは本腰を入れて実家を点検した。自分がこれから引っ越して住むのである。どれだけの荷物を持っていけるのか、ダブっている家具や家電はどちらのものを使うのか、などを決めなくてはならない。

 

「同居したら、私は2階の8畳間と6畳間を自分の部屋として使おうと思っていました。母は2階を使っていなかったので。ですが、2階の部屋を見たとたん、“何、これ!?”って叫んでいました」

 

第2話へ続きます