私の「親家片」体験

不動産会社の機転のきいた仲介で実家を売却 第2話 ~売主と買主が同じ営業エリア内だったことがポイント~

売主と購入見込み客の両方が営業エリア内なら、不動産会社は成約に向けて力が入る! 田中陽子さん 埼玉県・55歳

 

不動産会社が機転をきかせチラシに物件を掲載した結果、売却希望価格4500万円に対し、4200万円での売買が成立した田中さん。

 

「たまたま購入希望者の中でも一番いい条件を示してくれた人が、本当にラッキーなことに不動産会社の営業エリア内にお住まいだったんですね。それで不動産会社の方もいろいろと作戦を練ってくださって、とっても助かりました。専門家とはいえ、正直ここまでやってくれるとは予想外でした」

 

不動産会社の中でも主に仲介を手がけている業者の場合、売買や賃貸の仲介に伴う手数料収入をできるだけ多くしたいと考えるのは当然のことだろう。したがって、売買についていえば、価格が高い物件の仲介に熱心になるのは自然の流れといえる。

 

不動産会社にとって、売主と買主の両方の仲介を手がけることが大きなメリットに

しかし、それ以上に不動産会社の視野に入っているのは、売主と買主の両方の仲介を手がけることだ。

 

消費税を除いて、売買価格の3%の仲介手数料が両方から得られるとすれば、結果的に手数料は6%と倍になるからだ。

不動産会社の担当者は、本当に購入を希望している客か否かは、話を聞けばおおよそ見当がつくという。業界のベテランの中には、店に入ってきたときの様子を見ただけでわかると豪語する者もいるそうだ。

 

そんな確度の高い購入見込み客と不動産の売主が、両方とも自社の営業エリア内にいるとなれば、不動産会社にとって大きなチャンス、成約に向けて力が入るのも、これまた自然のことだろう。いわばそうしたお客を常に探しているのが不動産会社である。

 

田中さんの場合は、まさに不動産会社の求める条件にあてはまったわけである。

「やはり感心したのはチラシに書かれた文章、コピーライトですね。どういう文言が客の気持ちを惹きつけるかということをよく知っているんですね。同じ物件を紹介するのでも、言葉ひとつでずいぶんと印象が変わりました」

300万円の資金を投じてリフォームしたことに加え、そうした不動産会社の思惑と合致したことで、田中さんは空き家の中古住宅を売却できた。

 

ただし、名義上、本当の売主は田中さんの母親である。田中さんの母親は、自ら有料老人ホームに入居することを選択し、結果的に、自らの住まいを自らたたんだのだ。

現在、田中さんの母親の住まいは、東京近郊にある有料老人ホームだ。鉄筋コンクリート3階建てに全50室。その一室、広さにしておよそ20㎡の個室に、田中さんの母親は住んでいる。

 

田中さんの母親は、夫の死後しばらくして、その家屋と敷地を売却し、有料老人ホームで暮らすという選択をしたのである。

 

第3話に続きます