「親家片」ストレス

持ち主の親にとっては、生きた証であるものかもしれません

片づけを通じて、親の心の温かさに触れる瞬間がある

 

親とともに片づけを進めるなかで、こんなやさいい時間が訪れることもあるようです。

 

「義兄と同居する義母の家の片づけを手伝いました。そのとき一緒に片づけていた義母が、私がかつて手作りして義母にプレゼントした4段の整理箱を手にとり、〝これはあなたからいただいたものだけれど、どうしよう?〟とひと声かけてくれたのです。私が義母にあげたことを忘れずにいてくれた。私に気をつかって、処分するのをためらってくれた……。それが思いのほかうれしく、胸にあたたかいものがこみ上げてきました。義兄の家のスペースは限られているので処分はしましたが、ここにあるものは忘れられたものではなく、義母が過ごしてきた日々を彩ってきた思い出の数々でもあると感じました」(TTさん 57歳 埼玉県朝霞市 親家片開始年齢47歳)

 

ほかの人にとっては、過去に置き去りにされたものとしか映らないものであっても、本人にとっては生きてきた証だったりするのです。

 

また、片づける家に親が住んでいない場合は、次のケースのように、「疲れるから」「何もできないから」という理由で、親がしだいに子どもにまかせるようになることも多いようです。

「母が初期の認知症になり、実家を出てわが家の近くのマンションに引っ越しました。実家をそのままにしておくこともできず、しばらくして弟夫婦と相談して本格的に親家片に取り組むことに。本気の片づけの初日、母を同伴しました。けれど、その後は〝役に立たなくてじゃまになるから〟と、母は私たちにまかせてくれました。体がしんどいのがひとつ。また認知症が進んだこともあり、面倒くさいという気持ちのほうが強かったようです」(YMさん 53歳 大阪府大阪市 親家片開始年齢48歳)

 

「母をわが家に引き取ったため、富山の実家に通って片づけました。最初に、新聞、雑誌、食器類、不用な衣類の整理をしました。膨大な荷物を前に、やるしかないと手当たりしだいゴミ袋に詰めました。1回目の片づけには認知症の母も同行しましたが、たまたまそのときに電車事故に遭遇し、ショックもあって泣いてばかり。

以後はショートステイに預けて、私たちだけで片づけました。しまい場所を忘れたらしく、衣類があちこちから出てきて、捨てても捨ててもまだありました。ソックスだけでもゴミの大袋ひとつに。数年前に亡くなった父の部屋には、病院の薬の袋までたたんでとってありました」(SSさん 72歳 神奈川県横浜市 親家片開始年齢62歳)

 

 

 


2014/08/09 | キーワド: , , , | 記事: