「親家片」ストレス

親・家・片は、すべて片づけなくていい

自立した生活を続けるための最低限の親家片も

 親家片は、必ずしも不用なものをすべて処分し、何もかもすっきりさせることではありません。

 

「母が床に置いたものに引っかかって転倒し、あばら骨を折ったのが、親家片のきっかけでした。年をとると、ちょっとした段差でも転んで大きなケガをすることがあり、脚の骨を折って寝たきりになる人も少なくないのですね。

2カ月かけて、母の家の居間と寝室、それから台所、洗面室、お風呂、トイレ、玄関を片づけました。ものがあふれた床をきれいにし、生活に必要なものは、高齢の母でも手にとりやすい胸から下の高さに収納しました。

片づけのとき、母は不満たらたらだったので、私から見て不用なものであっても、母が〝捨てないでくれ〟と言い張るものは段ボールに入れて、別の部屋に積み上げました。しばらくそのまま暮らし、母は肺炎で入院。2カ月後に亡くなりました」(KHさん 58歳 神奈川県横浜市 親家片開始年齢52歳)

 

65歳以上の高齢者がケガをする事故の発生場所は、約3分の2が住宅内といわれます。

じつは、衰弱や転倒による骨折が、脳卒中に次いで、高齢者が要介護となるきっかけの第2位でもあるのです

 

そのうえ、高齢になればなるほど、衰弱や転倒による骨折の割合は増加していきます。

床にものが散らばった家は高齢者にとって、骨折・寝たきりの温床といっても過言ではありません。

足腰が弱くなり、目も見えにくくなった高齢者の住む空間こそ、すっきりと整理整頓して、床にものがない状態にしておかなくてはならないのです。

KHさんのように、居間や寝室、台所、洗面室、お風呂、トイレ、玄関といった親の動線にかかわるところだけを片づけるという方法もあります

 

「二世帯同居をしているのですが、1階の自分たちのスペースの掃除を担当していた義父が倒れたとたん、義父母の空間がもので埋まりました。半身不随になった義父の退院を機に、床にあふれたものをはじめとした親家片を始めました。片づけは定年退職した夫が中心になってやっていますが、義父の介護もあり、精神的にも肉体的にも疲れを感じています」(THさん 57歳 埼玉県さいたま市 親家片開始年齢57 歳)

 

「新潟に住む母が廊下にものを積み上げていたために窓が開けられず、熱中症になって入院しました。家を片づけて、風が通る状態にしなければ母の命にかかわると、一念発起、親家片を開始。引っ越し以上ではないかと思うほど、大変な作業でした。

けれどもそれから3年。母は元気をとり戻し、92歳の今も生け花の先生を続けています。元気になった母を見ると、本当にやり終えてよかったと思います。高齢者が自立した生活を続けるためには、整理された空間が必要なのですね」(AAさん 68歳 東京都渋谷区 親家片開始年齢65歳)

 

「一日も長く健康で、お父さんやお母さんらしい自立した暮らしを続けるための親家片をしよう」と言うと、親が首を縦に振ってくれるケースもあります。


2014/07/21 | キーワド: , , , | 記事: