「親家片」ストレス

ひとりで「親・家・片」はしない!これが鉄則

親が年をとること=できなくなることが増えること

親に対して怒りを感じたときに、ぜひ考えてほしいこともあります。

若いときの親は、どんなふうに暮らしていたのか、ということ。

あなたと同じ年齢のときに、両親の家は今のような状態でしたか。

ものがあふれていましたか。

いつから、家が汚れ出したのでしょうか。

その頃、何が親に起きていたのでしょうか。

親の家が汚れ出したのは、親のパーソナリティに問題があるからではなく、ものを片づける気力と体力がなくなったからではないですか。

積み上げられた荷物を突然「片づけて!」と言っても簡単にはいかない

「ちょっと散らかっちゃったね。手伝うから一緒に片づけよう」

「お父さんとお母さんの冬物、出して。洗濯して、整理しておくわね」

大家族で住んでいれば、高齢になった親世代は、若い人たちの目や手もあり、日常的な手助けを受けることができます。

けれども、子どもたちが都会で働いていて、親が地方で暮らしていれば、いくつになっても自分たちですべてを行わなければなりません。

「片づけてよ。自分たちの家なのだから、ちゃんとして」

「なんで廊下に何もかも積み上げているの? こんな汚くして、信じられない」

年に一度の帰省で、乱雑になった親の家を目の当たりにした子どもから、そんなふうに言われても、数カ月、数年間、あるいは十数年という年月、じわじわと蓄積されたものを、簡単に片づけることはできません。

ましてや高齢の親だけの手に負えるものではありません。いくら、子世代が「片づけろ」と叫び続けても、「無理!」という現実があります。

子が思う以上に、高齢の親はできないことが増えているのです

かつて料理が得意で、台所が自分の城だと思っていた人でも、年齢とともに気力が失せて、料理すること自体が億劫になってしまったりします。

ピカピカになるまで食器を磨き上げていた人でも、目が悪くなり、手の力がなくなり、鍋にこびりついた汚れや湯呑みの茶渋を残してしまうこともあります。

「年をとるということは、できなくなることがふえるということ」

クシの歯が抜けるように、自分でできることが少しずつ減っていきます。

毎日、掃除機をかけていた人であっても、足腰が弱れば、重い掃除機をとり出すのがしんどくなります。こまかいところが見えなくなれば、桟の上にうずたかく積もったほこりに気がつかなくなります。

膝が痛くなれば、階段の上り下りがつら

くなり、2階の箪笥から夏服をとり出し、洗濯のすんだ冬服と入れかえたくても、できなくなってしまいます。

上を見上げることがつらくなれば、棚のいちばん上に置いたものが目に入らなくなります。

手の力が弱くなり、缶詰のプルトップやペットボトルの蓋が開けられなくなります。

今までひょいと持てた新聞紙の束がある日、持ち上げられなくなります。

膝や腰の老化とともに、ものを持って歩くのが大変になれば、ゴミ収集日にゴミを出しに行くこともできなくなります。

何があるのかを忘れ、購入を繰り返すことも

数日前に購入したばかりなのに、またマヨネーズやソースを買ってしまうこともあるでしょう。それを食品棚にしまおうとして、棚の中がいっぱいだったりすると、スーパーの袋に入れたまま、キッチンの隅にポイと置いてしまったりします。

それを何度もくり返せば、何が入っているかもわからない袋が山となり、山となっている袋をひとつひとつ開けて中をチェックする気力がわかずに、またマヨネーズやソースを購入してしまう……。

時はどんな人にも等しく過ぎていきます。

時を止めたり、戻したりすることは、誰にもできません。

ピンピンコロリ。

そうありたいと願っても、そうは問屋がおろさないのです。

やがて、起きる、着がえる、ごはんを食べる、顔を洗って歯を磨く、テレビを見る、眠るといったことしかできなくなり……自立した生活が送れない日がやってきます。

それが年齢を重ねるという現実でもあります。

「家が汚い。片づいていない」と親を責める前に、親の老化がどこまで進んでいるかということを、まず把握してください。

片づけられなくなった親の中には、認知症を発症している人も少なくありません。

 心を許せる誰かとともに

負の感情の迷路に入らないためには、どうすればいいのでしょうか。

それは「ひとりで親家片をしないこと!」

夫、息子、娘、友人、知人、親戚、業者……頼める人に協力を頼みましょう。 特に力も体力もある若者は狙い目です。

「こんなにものをため込むなんて、本当にしょうがないよね」

「昔はきれい好きだったのに、認知症が始まっていたのかもしれないわ」

わき上がる感情をおしゃべりの中にちりばめて少しずつ吐き出し、手伝ってくれる人と共有しながら親家片を進めていきましょう。

ともに作業する人への感謝といったプラスの感情が、負の感情を消してくれる効果もあります。

「ひとりではなく、心の許せる誰かと親家片を行う」

「わき上がってくる負の思いは、人に話して、随時、心の棚おろしを行いつつ、作業を進めていく」

これらを心にとめて、親家片に取り組みましょう。


2014/06/30 | キーワド: , | 記事: