「親家片」ストレス

あせり、後悔、悲しみという「親・家・片」ストレスも

親家片がなかなか進まず、いら立ちがつのるケースもあります。

「母方の祖母は20年前になくなりました。
家の管理と祖母の世話は、次女である私の母が担っていました。

長男である母の弟は県外に住み、帰ってくるのはお盆とお正月だけ。
けれども旧家なので、祖母が亡くなったとき、長男がすべてを相続しました。

この時点で知恵を出し合えば親家片もできたと思うのですが、相続問題もからみ、お互いに顔色をうかがったまま、うやむやになってしまったようです。

今、その家にも敷地内の蔵にも荷物がそのまま放置されています。
しかし、屋根は傷み、玄関のガラスは破損し、台風のたびに土が崩れて県道に流れ……
その苦情に対処するのは地元に残った母でした。

実家に対する苦情に母が苦慮している姿を見るのはつらいものでした。
母は実家のことを気にしながら暮らし、結果的に片づけができませんでした。今はデイサービスに週1回通いながら、なんとか日常生活を続けています。

育った家が朽ち果てていく姿を見ながら、何もできずに20年間、ただオロオロしていた母。さぞ残念だったと思います。遠くない将来、実家の片づけが私たちにとっても現実になると思いますが、私は弟たちと相談しながらそのつど対応していくつもりでいます」
(YKさん 61歳 岩手県盛岡市 親家片開始年齢55歳)

親がいやがるために思うように片づけられないケースも

「目の前に片づけなくてはならない親の家があるのに、親がいやがるため、思うように片づけられません。日々そのことをがまんして暮らさざるをえないことがストレスになっています。

親家片は戦いだと思います。私たちも年をとり、年々、力もなくなります。それでもほとんど進まない親家片。親たちの介護もしなくてはなりません。親の死ぬのを待っているのではないか、そんな罪悪感も生まれつつあります」
(THさん 57歳 埼玉県さいたま市 親家片開始年齢57歳)

「もっと親の面倒を見たかった」「もっとやれることはあったかもしれない」

「母の気配の残る家に帰り、心の整理をしながら片づけました。私がもっと早く仕事をやめれば母と暮らせたと思うと、残念でなりませんでした。

定年退職後に母と住めるものなら一緒に住みたいとずっと思っていました。
でも、今になって考えると、それは無理だったということがわかります」
(HKさん 62歳 神奈川県横浜市 親家片開始年齢59歳)

後悔を残さない介護はないといわれますが、親の気配が残るものを片づけながら胸にいろいろな思いがよぎり、つらい気持ちになった人もいます。親家片が単なる片づけでなくメンタルに寄り添う問題だからです。

 

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2014/06/29 | キーワド: , , | 記事: