「親家片」ストレス

兄弟姉妹との親家片は、「ホウレンソウ」を忘れずに

作業効率の面以外にも、互いを思いやる心も生まれる

兄弟姉妹で協力して親家片にあたる場合は、「報告、連絡、相談」こと「ホウレンソウ」も大切にしましょう。

 

「実家は幸い、私の家からも姉の家からも車で1時間弱のところにあるので、私も姉も月に1〜2回、それぞれ母の顔を見がてら通い、亡くなった父や弟のもの、不用なものを片づけました。処分するものをまとめておき、たくさんたまったら、町の処分場へそれぞれ運びました、作業したことは姉と連絡し合いました」(MSさん 59歳 香川県観音寺市 親家片開始年齢51歳)

 

「きょうはこういう作業をした」

「2階の押入れはきれいになった」

「来週の週末は用事があって作業できそうにないけれど、お姉さんひとりで大丈夫?」

 

ビジネスシーンで、「ホウレンソウ」は仕事の効率をアップするために不可欠といわれますが、親家片でも、的確な「ホウレンソウ」は、作業をスムーズに運ぶために役立ってくれます。そればかりではありません。

 

「そんなにやってくれたの。大変だったでしょう。ありがとう」

「もう少しで2階が終わるね。やっとここまで片づけられて、うれしいね」

「今週、あなたが頑張ってくれたから、来週は私が頑張るわ」

 

作業の大変さがお互いわかるだけに、やさしさや思いやりの言葉が思わずこぼれ出ることもあります。

こうした会話がコミュニケーションのカギになり、よい人間関係をつくるのに役立ってくれます。

 

精神的な負担が減る、絆が深まる……一緒に親家片をして得ることも大きい

また自分以外の兄弟姉妹の目があれば、「判断がつかなくて、思いきって処分してしまったが、あれは失敗だった」というような悔いも減らすことができます。

ともに作業することで、親が大事にしていたものや使っていたものを捨ててしまうという、後ろめたい気持ちも軽減されます。

 

そしてなにより、親の思い出を忌憚なく語り合えるのは、やはり兄弟姉妹です。

共同作業と「ホウレンソウ」がコミュニケーションの潤滑油となって、兄弟姉妹に限らず、一緒に親家片に取り組んだ人との絆が強くなることも少なくありません。

 

「夫とはいろいろあって、10年近くわだかまりがありましたが、親家片に協力してくれたことで、心から感謝することができました。将来、夫の実家を片づけるときには、自分も手伝おうという気持ちになりました」(MNさん 50歳 茨城県つくば市 親家片開始年齢47歳)

 

「義父母の家を夫と義姉と一緒に片づけました。片づけは大変でしたが、義姉から夫が小さい頃のことや義父母の話をたくさん聞けました。作業を通して、義姉とすごく仲良くなり、すべての片づけが終わったあと、2人で近くの温泉でお疲れさま会もやりました。家はなくなりましたが、思い出は夫や義姉、私の胸の中にちゃんと残っていると実感しています」(RNさん 56歳 神奈川県横浜市 親家片開始時期54歳)

 

親家片を機に家族の絆が深まれば、のちのち心豊かに暮らせますし、相続などの話もしやすくなります。

面倒くさがらず、家族の協力態勢をつくり、思いやる気持ちを大切にしながら、親家片を進めていきましょう。