「親家片」ストレス

一筋縄でいかないのが親家片。誰かと一緒のほうが挫折しない

責任感が強く、真正直な人ほど、親家片をひとりで抱え込んでしまいがち

 

「兄弟はいるけれど、遠方に住んでいるからとても頼めない」

「姉は仕事、妹は介護で手いっぱい……。相談して助けを求めても、たぶん無理。断られていやな思いをするくらいなら、最初から自分ひとりでやったほうがまし」

「誰も助けてくれないもの」

「協力してと言うのも面倒だし……」

 

そう考えて、「ひとりで頑張らなくちゃ」と、悲壮な覚悟とともに親家片に着手する人もいます。

けれど、親家片は一筋縄ではいきません。

 

「いつになったら終わるのか」

「親のものをこんなにたくさん処分していいのか」

「疲れた……本当にやりきれるのだろうか」

途中で、そうした思いがわいては消え、消えてはわき……心は揺れ、いら立ち……。誰もが迷ったり、くじけそうになったりします。

 

「兄は全く手伝ってくれず、当時は立腹。今は、自分の思ったとおりにでき、決定権があって気がラクだったと思うようにしています。けれど、その後、連絡はとっていません。相続問題などが出てきたら、憎悪の気持ちが再びこみ上げてくるのかもしれません」(HOさん 45歳 兵庫県神戸市 親家片開始年齢40歳)

 

実際に体験した人でないとその大変さはわからないというのが、親家片の現実です。

どんなにヘトヘトになるのか。どれだけ複雑な思いがわき上がるのか。

そうしたことが、誰より理解してほしいと望む兄弟姉妹に案外、伝わらなかったりするものなのです。

 

やっと終わった! でも心がモヤモヤする……それはなぜか

 

それどころか、「お姉さんが好きでやったのだから」と片づけられ、兄弟姉妹から感謝の言葉ひとつもらえないことだってあります。

「やっと終わった。ひとりでやり遂げた」

そうした達成感は得られるでしょう。けれども、心はなぜかすっきりしない……。奥歯にものがはさまったように、納得できない気持ちが残っているからです。兄弟姉妹に対する心の中のわだかまりが消えないからです。じつはそういう人が意外に多いのです。

 

そうした事態に陥らないようにするためには、どうすればいいのでしょうか。

 

そのひとつの方法が、ひとりでやらないことです。ぜひ「誰かを巻き込めないか」と考えてみてください。思いきって兄弟姉妹に相談すると、そちらもまた、「やらないといけないけれど、ひとりではできないからどうしようと思っていた」と打ち明けてくれるかもしれません。