親家片って何?

「親・家・片」は「断捨離」ではありません

親の家の片づけは、単なるモノの整理ではない!

数年前、「断捨離」という整理の仕方が話題になりました。断捨離だけでなく、今も「ものの整理の仕方」を説く本が人気を集めたり、収納研究家などがテレビにも出演し、その方法論を盛んに展開したりしています。

「ものの置き場所を決め、必ずもとに戻す」

「3年間手を通さない服は処分する」

「棚におさまるものしか持たない」

「食器はシンプルな白のセットだけで十分」

「ものをしまい込んでいる空間の地代を考えなさい。ものを捨てたくなりますよ」

なるほどと納得させられることも多く、自分の家を片づける場合は参考にしたくなりますが、親の家の片づけは、単なるものの整理ではありません。

無駄なもので部屋があふれかえっていても、捨てなくてはならないと覚悟ができていても、作業をテキパキと進めることができないものなのです。

それはなぜなのでしょう。

「すっきりと片づいた家に生まれ変わらせる」

「無駄なもののない空間で暮らす」

「限られたものを大事にして、自分らしくシンプルに生きる」

その先に、自分をステップアップさせるような、背中をぐっと押してくれるような、明るい目標が見えないということも理由のひとつとしてあげられます。

モノには親との思い出がぎっしり詰まっている

そのうえ、もののひとつひとつに親の思いが濃厚に残っています。

「この茶碗を、お母さん、大切にしていたな……」

「この万年筆、お父さんが若い頃、いつも胸ポケットにさしていた。あの頃は万年筆が高価で、私の中学の入学祝いにお父さんが万年筆をプレゼントしてくれたっけ。あれ、どうしたのかしら」

「私たちの中学時代の通知表。お母さん、こんなものまでずっととっておいてくれたんだ。私が小学生のときに描いた絵も。あの頃、お母さん、いくつだったのかしら。朝から晩までくるくる働いていたなあ……」

ものの中に、父母の笑顔や、家族の思い出がぎっしり詰まっていたりします。

親家片を通して、家族への思いに変化がうまれることも

「大変だと思うと重荷になってしまうけれど、親の思い出がものにあふれているので、兄弟姉妹でワイワイ楽しみながらやるのがいいかなと思います。みんな、なんとかしなくてはという気持ちは一致しているので、絆は強くなった気がします。親家片は物心両面で親が残したかったものに、思いをはせ、敬意を払うことを忘れないようにすることが大切だと思います。〝片づける=捨てる・処分する〟ではなく、〝決別〟と〝引導〟だと思います」
(SKさん 54歳 広島県福山市 親家片開始年齢54歳)

ものを処分してすっきりすることだけが、親家片の目的ではありません。

二度と帰らない親との日々を反芻し、胸におさめるのが、親家片のもうひとつの大事な目的のひとつです。

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2014/06/28 | キーワド: , , | 記事: