親家片って何?

「親・家・片」はここ数年の間に出現、急増した問題です

平均寿命と健康寿命には約10年の差。この間に親家片問題が

親家片はここ数年の間に出現、急増した問題です。

実家を離れ、核家族で住んでいる子世代。

子どもたちが家を出たあと、夫婦だけで暮らす親世代。

けれど、親が健康で、独立して暮らせる期間には残念ながら限りがあります。

手助なく自分で生活できる年齢は?

日本人の平均寿命は、男性は79・64歳、女性は86・39歳(2010年 厚生労働省)。

一方、ほかの人の手助けなしに自立した生活ができる「健康寿命」は、男性70・42歳、女性73・62歳。

平均寿命とは10年前後の開きがあるのです。

親家片問題は人それぞれのケースがあります

「北海道の実家で心臓病の母を助けて暮らしていた父が脳梗塞で倒れて右半身まひになり、長野に住む私たち家族と同居することを決めたのが2009年8月。両親の家を買いたいという人があらわれたのが9月初め。引き渡しが10月に決まりました。

私は自分の家を8月半ばから1カ月かけて片づけ、一部をリフォーム。

その間に両親の家は、母と、実家から車で片道約2時間のところに住んでいた妹、母と同じ町に住んでいたいとこが片づけ、9月末に私も合流しました。片づけと引っ越しをし、10月10日に両親を連れて私は長野へ。妹夫婦といとこが家の中を掃除して、家を明け渡しました」

(YMさん 63歳 長野県長野市 親家片開始年齢56歳)

突然やってくる「親家片」。限られた時間との闘いになるケースも

「ひとり暮らしをしていた母がアルツハイマー型認知症になり、ケアマネジャーのすすめで老人ホームに入居することに。母は都営住宅住まいだったので、3カ月以内に部屋を片づけて退去するように区役所から言われ、片づけ始めました」
(IYさん 59歳 埼玉県所沢市 親家片開始年齢49歳)

 

「父が要介護5になり、施設に入所したのち、母は新潟でひとり暮らしを続けていました。

その母がおととし、脳梗塞で倒れ、自宅でのひとり暮らしが不可能に。そこで兄と話し合い、新潟に住む兄夫婦が父を、埼玉に住む私が母の面倒を見ることになりました。

それからジェットコースターに乗っているような日々が始まりました。わが家の近くの高齢者施設を見て回り、やっとのことでこれはという施設を見つけ、契約。それから4~5日に一度、日帰りで入院中の母を見舞い、そのついでに母の家の片づけ、不用品の処分、荷物の発送……。いろいろなことが重なり、仕事をしていることもあって本当に大変でした」
(KKさん 55歳 埼玉県さいたま市 親家片開始年齢54歳)

 

「老人ホームへの支払い、残された家の家賃の支払い、葬儀の支払い……。義母が亡くなると、悲しみにひたる間もなく、パニック状態になるようなさまざまなことが押し寄せました。

そのうえ、義母の家は市営住宅だったので、早急に退去しなければならず、“やるっきゃない、やるっきゃない”と夫と励まし合いながら片づけました」
(HOさん 60歳 静岡県熱海市 親家片開始年齢58歳)

 

「義母の体調がすぐれず、義父と2人をわが家の近くに呼び寄せることになったのは、夫の仕事が猛烈に忙しく、子どもの大学受験を控えていた時期でした。

幸運にも両親の友人が家を買い取ってくれることになったのですが、そのために待ったなしで片づけをするしかないという状況に追い込まれました」
(MSさん 49歳 埼玉県さいたま市 親家片開始年齢43歳)

親の介護とともに親家片問題が浮上します

「親が施設に入ることになった」

「親が脳梗塞で倒れて、ひとり暮らしができなくなった」

「認知症を発症し、片づけられなくなった」

親が自立した生活ができなくなると、介護と抱き合わせで親家片問題が浮上してきます。

子世代の多くは50代以上。子どもを育て上げ、少しだけほっとした頃かもしれません。でも、仕事に関しては現役ですし、まだ住宅ローンや教育ローンが残っている人も多いはず。

50代はまた、自分の老いに向き合い始める時期でもあります。血圧が高くなった、コレステロールの数値が高い、腰痛持ちだ……。自分自身の体にひたひたと忍び寄る老いに気づき、そろそろ自分の老後を考えなくてはならないと思う時期でもあります。

子ども世代も、言ってみれば自分の生活だけで手いっぱい。

しかし、そんなことは全くおかまいなしに突然、親の介護と親家片問題がやってくるのです。

「親の家を片づけきれるのか」と立ちすくんでしまうのは、あなただけではありません。

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2014/06/27 | キーワド: , | 記事: