片づけ方のコツ

「捨てる」ではなく「選ぶ」気持ちで、親の家の片づけにのぞんでみる

できれば最初は親とともに作業すると、その後もスムーズに進みます

 

片づけることを親が納得した場合でも、多くのものを処分という現実に直面すると、親の気持ちが揺れ始めます。

つらそうな表情で「私のものは全部、捨てるのね。私の一生って何だったのだろう」と落ち込んだり、「こんなに捨てるのはいや。片づけはもうやめたい」と涙を流したりする親も少なくありません。

ですから、親がネガティブな気持ちになるのを避けるために気をつけなくてはならないこともあります。

 

それは、子世代は「捨てるものを探す」姿勢ではなく、「これからも使う大切なものを選ぶ」という前向きな気持ちで臨むということ。

そして、親にそれだけの体力があれば、ともに作業することがおすすめです。

 

「6年前、わが家から歩いていけるマンションに両親が引っ越しました。2人とも認知症の初期と診断されたため、介護が始まる前に、近くに呼び寄せようと思ったからでした。しかし、すぐに両親の認知症が悪化し、2年後にそれぞれグループホームに入ることに。それから親家片に向き合う日々が始まりました。親家片をしながら、6年前の最初の引っ越しのことを思い、胸が痛みました。

その頃、母はひとりで外出できるほど元気でした。けれども認知症の初期で感情の起伏がときおり激しくなることもあり、一緒に作業するとややこしいことを言い出して、引っ越しが遅れてしまうのではないかと思い、私がひとりでパパッと片づけてしまったのです。母は長く生け花を続けていて、ものすごい量の花器を持っていました。私は母の意思を確かめることもなく、もういらないだろうと決めつけて、そのすべてを勝手に処分してしまいました。

新しいマンションに引っ越してしばらくの間、〝花器を捨てられた〟と母はしょっちゅう嘆いていました。やがて認知症が進むと、それも忘れてしまいました。

もし私があのとき、花器を処分しなかったら、母は新しい環境でも、花をいけることを少しは楽しんだのではないか。認知症の進行も、もうちょっと遅くなったのではないか。そう思うことがあるのです。母の別の趣味である謡曲の本や書道関係のものは、こちらも私の判断で残したのですが、母が手にとることはありませんでした」(KHさん 56歳 千葉県千葉市 親家片開始年齢50歳)

親と作業すれば、時間はかかっても、こうしたせつない思いを抱かずにすむのかもしれません。

 

 

 

 


2014/08/08 | キーワド: , , , | 記事: