専門家に聞く

空き家になった親の家、売却する? 賃貸にする? まず家の概要を確かめる【大久保恭子の親の家の有効活用指南】

誰も住まなくなった親の家。今後ずっと空き家のままにしておくわけにはいきませんから、売却や賃貸物件として活用するなど、様々な方法を考えると思います。一番いい有効活用は何なのか、事前の調査を行うことで道が見えてくるようです。

親の家の基本仕様を整理する

売る、貸すなど、親の家に適した有効活用方法を検討するには、親の家の全体像がわかる基本仕様が必要です。まずは土地の測量図や境界確認書を探してみましょう。これらは一戸建てや土地の場合に必要です。それをもとに、どこからどこまでが売ったり貸したりするときの対象になるのか、対象面積は何㎡か、といったデータを整理します。

つぎに、建築確認済証および検査証、建築設計図書ですが、これは建物の概要を整理するために必要な資料です。

建築確認済証および検査証はその家が建築基準法という法律に則って建てられたことを 証明する書類です。違法建築ではないというお墨つきともいえるものです。建築設計図書や工事記録を見れば広さや間取りがわかります。たいていの場合、設計図には日付が記載されているので築年数もわかるでしょう。

リフォームをしていたら、同様にリフォーム箇所に関する設計図や工事記録も探しましょう。新たに交換したトイレ、洗面台、キッチンなど水回りを中心とした設備カタログがあれば、それも手元資料として持っておくと、売る、貸す際の有益な情報となります。

測量図や建築確認済証を紛失した場合は再度手続きを

ところで、土地測量図や境界確認書、建築確認済証および検査証、建築設計図書などが、どこをどう探しても見当たらない!という方もいらっしゃるのでは。でも、何とかなるものです。ただし、手間と費用はかかりますが。

土地測量図、境界確認書については、隣の土地所有者の方々と協議し、了解を得て測量図を作成することになります。建築確認済証を紛失した場合は、家が所在する最寄りの自治体で証明書を発行してくれます。ただし、昭和 40 〜 50 年代に建てられた古い家については、証明書の発行ができない場合もあります。

建築設計図書がない場合、室内の寸法を測り、だいたいの広さ、間取りをつかみます。こうした資料をもとに、上の項目を整理し、親の家の概要を把握しましょう。

この段階で、売る、売らない、更地にするなど大まかな方向性がある程度見え始めます。

親の家の基本仕様がわかれば、住宅市場における実力がどの程度か、ということが客観的にわかってきます。これが、親の家の有効活用方法の方向性を決めるもととなるのです。
「売る」「貸す」「経営する」などの有効活用方法の方針を決意した段階で、不動産会社に依頼しますが、これらの面倒な手続きはすべて、その不動産会社の営業担当がとりしきってくれるので、ご安心ください。

親の家の空き家対策について、もっと詳しくお知りになりたい方は、こちらの本をぜひ!

『どうする? 親の家の空き家問題』著 大久保恭子

どうする?親の家の空き家問題書影

navAmazonLogoFooter._V169459455_

_DSC7779大久保恭子
「マンション評価ナビ」の企画・運営を手がける㈱風の代表取締役。
1979年リクルート入社。週刊住宅情報編集長、執行役員等を務める。日立キャピタル業務役員、日本住宅ローン取締役を経て、2005年、㈱風の代表取締役就任。一般財団法人 住まいづくりナビセンター理事を兼務。
その他、国土交通省 社会資本整備審議会建築分科会委員、東京都住宅政策審議会委員などの公職を歴任。著書に『マンション選びは「立地」がすべて』『お片付けは「家ロジ」で。』がある。