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兄弟間での相続トラブル。問題解決のポイントはコレ【大久保恭子の親の家の有効活用指南】

親が元気なうちに相続についての話し合いができている、親が正式な遺言書を残しているというケース以外では、親の意向がわからないまま、子どもたちなどで相続の手続きをすすめることになります。しかしそこでトラブルが生じるのもよくある話。兄弟間でもめごとを起こさないようにするには、どのようなことに気をつければいいのでしょう。

相続トラブルが一番多いのは、親の財産が「一戸建てだけ」のとき

親の家をどうするか?について、親の意向が明確であれば、子は従わざるをえないとい う不文律がありますが、親との話し合いがないままに、死後にどうするかを決めなければならないときは、きょうだい間で考えをひとつにまとめることはとても大切です。ひとりでも異を唱える者がいれば、事は前には決して進みません。

親の財産が、一戸建てだけで預金はほとんどなし。それを複数のきょうだいで相続する場合が一番トラブルが多い、ということを税理士さんから聞いたことがあります。相続の考え方でひと悶着が生じるのです。また、親の家をたたんだあとの活用方法について、売却してその代金を分割したい。手放すのはいやだから賃貸にしたい、等々考え方の違いでいつまでたっても平行線、相続申告期限の 10 カ月以内では決着がつかない、ということもあります。現金のように簡単に分割できないことも大きな原因です。

推進役を立て知識・情報を共有し合う

こうならないためには、良識を働かせて乗り切るしかありません。

①親の家についての共通認識をもつ
たとえば、築何年でどの程度の傷み具合か、売りやすさ、貸しやすさ、価格・家賃相場などの情報を共有することが大切です。

②親の家をどうたたみ、どう有効活用するのかについて、理解、納得のいくまで話し合う
有効活用の選択肢がいくつあるのか、①で得られた情報をもとに親の家のたたみ方に向くのはどの方法かなど、話し合いの必要があります。

③きょうだい間で役割分担、金銭の負担割合、相続額(家の売却代金、家賃)分割割合を決める
難しいのですが、中立、公正、平等を旨としないと、欲にからめ取られ、骨肉の争いに発展することも。そうなってしまうと何の策も講じられず、時間ばかりが過ぎていきます。

④きょうだいの中心になって話し合いや手配、手続きをする推進役を決める  
①~③を円滑に進めていくには、いずれも重い問題なので、推進役がいないと、きょうだい間で押しつけ合いが始まったり、無関心な者が出たり、口だけ出す者が出たりしてうまく事が運びません。推進役は、要所、要所でほかのきょうだいに報(ほう)連(れん)相(そう)を行うことが重要です。

親の家の空き家対策について、もっと詳しくお知りになりたい方は、こちらの本をぜひ!

『どうする? 親の家の空き家問題』著 大久保恭子

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「マンション評価ナビ」の企画・運営を手がける㈱風の代表取締役。
1979年リクルート入社。週刊住宅情報編集長、執行役員等を務める。日立キャピタル業務役員、日本住宅ローン取締役を経て、2005年、㈱風の代表取締役就任。一般財団法人 住まいづくりナビセンター理事を兼務。
その他、国土交通省 社会資本整備審議会建築分科会委員、東京都住宅政策審議会委員などの公職を歴任。著書に『マンション選びは「立地」がすべて』『お片付けは「家ロジ」で。』がある。