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親族とは険悪な雰囲気……相続前にしておくことは?【主婦弁・澤田有紀の親家片法律コーナー】

兄弟や親戚との関係が良好に保たれているかどうかは、相続問題にぶつかったときに大きく影響するものです。もし「もう何年も会っていない」「あることがきっかけで関係が悪化している」という状態の場合、今からできることは何でしょうか。

できるだけコミュニケーションをとりつつ、早めに遺言書を書いてもらいましょう

人間関係は難しい問題ですね。みなさんが悩んでいらっしゃると思います。特にお嫁さんは大変ですね。

お宅によって事情は違いますから、解決方法も人それぞれだと思いますが、関係が悪くなったいきさつが過去にあるはずなので、思い当たることがないなら、それを聞き出して解決するのがポイントでしょうか。簡単ではなさそうですが、長年の確執をほぐすには時間がかかります。相手を思いやり、歩み寄る努力を続けて、根気よくいきましょう。

一方、関係が疎遠なのであれば、今からでも年賀状や暑中見舞いを出すとか、ちょくちょく家に顔を出すなどして、コミュニケーションをとるようにしましょう。また、たとえば親御さんの介護を兄弟にまかせっきりにしているのであれば、できる範囲で手伝ったり、家族旅行でねぎらったりしておく。そういうおつきあいをしておけば、お互いの事情もわかって、いざというときに話し合いがしやすいかもしれません。

実家の郵便物には、相続に関わる大切な情報があることも

でも親御さんの相続を想定しているのなら、やっぱり普段から実家に顔を出しておくのが一番でしょう。そして郵便物をさりげなくチェックしてみましょう。固定資産税の通知や、銀行からの郵便物を見ておけば、不動産の評価額や、銀行口座がどこにあるかといったこともわかります。そういうことって大切ですよ。

私の経験では、兄弟を出し抜いて、ひとり暮らしの親御さんの郵便物を自分の家に転送しているかたもいました。

逆に、ずっと親御さんと同居していたのに出し抜かれた人も。そのかたは親御さんを介護していたのですが、別居の兄弟が「2~3日、介護を代わるよ」というのでまかせたら、その間に公証人を呼んで、公正証書遺言をつくってしまったのだそうです。そこまで強引なことをするのは、かえってトラブルのもとですが、ほかの相続人と険悪だったら、先手を打つこと自体は効果的かもしれませんね。

■澤田先生の著書『どうする? 親の相続』には、多くの体験談や相続に関するQ&Aを掲載。相続に関するベストな方法が見つかるはずです!

澤田先生本

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澤田先生の法律事務所 弁護士法人みお綜合法律事務所 http://www.miolaw.jp/

sawada澤田有紀 
弁護士。弁護士法人みお綜合法律事務所代表。奈良県生まれ。1985年大阪大学文学部英文科卒業後、商社勤務、エレクトーン講師を経て専業主婦に。阪神淡路大震災をきっかけに、「何か人の役に立つことがしたい」と一念発起。弁護士を目指す。1回で司法試験に合格し、2000年に弁護士の道へ。専業主婦から弁護士になった「主婦弁」として各メディで活躍中。主な著書に『人生を変える!3分割勉強法』(祥伝社)、『カード&住宅ローン危機』、『相続でもめないための遺言書』『どうする?親の相続』(ともに主婦の友社)など。

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