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予想以上に費用がかかる! 相続した不動産の売却【主婦弁・澤田有紀の親家片法律コーナー】

「親の家を相続しても、いずれは売却するかもしれない」そう思っている人は少なくありません。しかし売却の前には、さまざまな段階を踏まなければならないこともあるようです。

売却のためには費用もかかることを頭に入れておく

相続した不動産を売却する場合には、気をつけたいことがいくつかあります。

まず、売却して相続人で代金を分けるにしても、いったんは誰かに(または共有で)名義変更=相続登記をしてからでないと売却できません。この登記は、遺産分割協議書や戸籍などの書類がそろっていないとできませんし、窓口で手続きをしてから日数がかかるので、買い手が現れる前にすませておくほうがよいでしょう。

また故人が田舎でひとり暮らしをしていて、誰も住まなくなった土地や家屋を処分するような場合は、誰が家を片づけるのかという問題が生じます。

もし週末に通って片づけるとなると何カ月もかかり、交通費や労力の負担もかなりのもの。遺品整理などの業者に頼むのであれば、費用を誰がどのように負担するのかを決める必要があります。

境界線があやふやな古い家屋は測量の必要も

古い家だったら、更地にする費用も必要になるかもしれません。先祖代々の土地であれば、お隣の土地との境界がわからなかったり、面積が登記と違っていたりすることも多く、売却する前に測量し直さなければならないこともあります。

こういう費用は目に見えにくいですが、整地や測量は100万円単位で、家を片づける業者の費用は数十万円かかることも多く、意外に高額なので考慮に入れておく必要があります。

売却を依頼する不動産業者は、地元に強いところがいいでしょう。適正な売却価格はわかりにくいものですが、大手の会社、長年地元で営業している不動産業者など、タイプの違う複数の業者に見積もりを依頼すると、価格の目安を知る助けになります。

ちなみに親族間などで直接売買するときは、相場からあまりかけ離れた価格にすると、安くても高くても、その差額が互いへの贈与とみなされて、贈与税がかかることがあるので気をつけてください。

■澤田先生の著書『どうする? 親の相続』には、多くの体験談や相続に関するQ&Aを掲載。相続に関するベストな方法が見つかるはずです!

澤田先生本

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澤田先生の法律事務所 弁護士法人みお綜合法律事務所 http://www.miolaw.jp/

sawada澤田有紀 
弁護士。弁護士法人みお綜合法律事務所代表。奈良県生まれ。1985年大阪大学文学部英文科卒業後、商社勤務、エレクトーン講師を経て専業主婦に。阪神淡路大震災をきっかけに、「何か人の役に立つことがしたい」と一念発起。弁護士を目指す。1回で司法試験に合格し、2000年に弁護士の道へ。専業主婦から弁護士になった「主婦弁」として各メディで活躍中。主な著書に『人生を変える!3分割勉強法』(祥伝社)、『カード&住宅ローン危機』、『相続でもめないための遺言書』『どうする?親の相続』(ともに主婦の友社)など。

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