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空き家は年間50 万円以上かかる「金くい虫」【大久保恭子の親の家の有効活用指南】

空き家になった親の家。住んでいなくても実際には「維持費」が予想以上にかかり、これが近年の空き家問題にもつながっています。出費項目とその金額を大久保先生に教えていただきます。

大きな出費は固定資産税

誰も住んでいないのに、親の家は金くい虫です。迷惑な空き家「特定空き家」と見なされないためには、最低限の維持・管理が必要です。何にいくらかかるのでしょうか。

固定資産税は、毎年1月1日現在に所有している土地や家屋に課される税金です。固定資産税の標準税率は14%。税額は固定資産税評価額の14%となります。

ただし軽減措置があります。実際には建物のある土地については200㎡以下の部分については、評価額の1/6が課税標準額となるなどの住宅用地特例といわれるものがあります。したがって迷惑な空き家、「特定空き家」と見なされるまでは更地にしないほうが固定資産税は安くなるのです。

軽減はあるものの、維持する側には大きな負担に

加えて、都市計画法による市街化区域とされる地域にある土地や家については都市計画税も課税されます。都市計画税の上限は0・3%です。この税金にも、住宅用地特例があり、最大1/3まで軽減されます。

軽減はあっても固定資産税、都市計画税を支払うことには変わりはありません。

あくまでも目安となりますが、東京23区内の新築マンションと地方の新築木造一戸建ての固定資産税と都市計画税がいくらかかるのか見てみましょう。

東京23区内のマンションは18万7000円、地方の一戸建てでは21万3000円と、負担感の大きい金額です。親の家は築年数がもっと古い場合が多いので、建物にかかる税額は下回るでしょうが、土地の税額は変わりません。住んでいない家にこれだけ高い税金がかかるとは!

光熱費、マンションは管理費の支払いも!

ときどき親の家の様子を見に行くので必要だからと、電気や水道が使えるよう、契約を解除していなければ、毎月水道基本料金が約2000円、電気基本料金(契約アンペア数にもよるが)1000円、計約3000円と、それなりの費用がかかります。

また、外壁の補修や庭木の剪定などにも費用は発生します。

マンションには毎月徴収される管理費・修繕積立金があります。新築マンションの管理費の平均は、不動産経済研究所がまとめた平成23年の「首都圏マンション管理費調査」によると㎡当たりの管理費単価は216・43円でした。国土交通省が算出した修繕積立費の目安は200円/㎡です。

70㎡のマンションなら管理費で1万5150円、修繕積立金で1万4000円、合計約3万円がかかってしまいます。

マンション、一戸建ていずれも目安の金額では、年間50万円超の維持・管理費用がかかることがわかります。誰も住まない家に50万円以上もかかるなんて!

親の家の空き家対策について、もっと詳しくお知りになりたい方は、こちらの本をぜひ!

『どうする? 親の家の空き家問題』著 大久保恭子

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「マンション評価ナビ」の企画・運営を手がける㈱風の代表取締役。
1979年リクルート入社。週刊住宅情報編集長、執行役員等を務める。日立キャピタル業務役員、日本住宅ローン取締役を経て、2005年、㈱風の代表取締役就任。一般財団法人 住まいづくりナビセンター理事を兼務。
その他、国土交通省 社会資本整備審議会建築分科会委員、東京都住宅政策審議会委員などの公職を歴任。著書に『マンション選びは「立地」がすべて』『お片付けは「家ロジ」で。』がある。

 


2015/08/17 | キーワド: , , , | 記事: