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税金6倍も! 迷惑な空き家ってどんな状態?【大久保恭子の親の家の有効活用指南】

そのまま放置しておくと、金銭面での負担が増えたり、近隣への被害も与えてしまいかねない「空き家」。平成27年に施行された「空き家対策特別措置法」では、どんな状態のものを「迷惑な空き家」としているのでしょうか。

1年超放置すると税金はこれまでの6倍、強制取り壊しも

平成27年2月26日、国は増え続ける空き家問題を解消するために、迷惑な空き家について、法的措置を講じるために、「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家対策特措法)」の基本指針を定める告示を決定しました。

基本指針では、「空き家」と見なす目安を「概ね年間を通して建築物等の使用実績がないこと」とし、1年としています。

空き家にもいろいろな種類がある

ところで、空き家には4種類あります。1つ目は「売りに出されている家」、2つ目は「賃貸に出されている家」。この2種類は、ゆくゆくは人が住んで有効活用される家なので、「迷惑な空き家」とはいえません。

3つ目は別荘などの二次的住宅で、ときどき利用する家ですから、空き家に分類されてはいますが、それなりに管理され有効活用されている家の範疇でしょう。

問題は4つ目。誰も住まなくなった親の家に代表される「空き家」です。これは住み手が転勤、入院、介護施設等への転居、死亡により空き家になったもので、管理されることなく長い間放置されることになります。誰も住まなくなった親の家を1年間放置しておくと、「空き家」と見なされるのです。

勧告されてもほうっておくと税金が高くなる

さらに、倒壊の危険、衛生上有害、適切な管理が行われていないために著しく景観を損なう、などの状態にある迷惑な空き家は「特定空き家」とされ、自治体は持ち主に対して、きちんと管理するよう助言・指導、勧告することになります。

持ち主は指導、勧告を受けると一定の猶予期間を与えられ、その間に、空き家を保全しなければなりませんが、指導、勧告を無視してほうっておき、年をまたぐと、住宅用地特例の対象から除外され、固定資産税の額が高くなります。

ちなみに、小規模住宅用地(200㎡以下の部分)では1/6の、一般住宅用地(200㎡を超える部分)では1/3の減額がなくなってしまいます。また都市計画税についても、小規模住宅用地では1/3、一般住宅用地では2/3の減額がなくなってしまいます。迷惑な空き家と見なされれば、住んでいないのに、税金の負担が増してしまうことになるのです。

それでもほうっておくと強制的に解体されてしまう

そして、高い税金を払わされても、それでも何も対応しない場合は、市区町村長の判断により、持ち主に代わって空き家を強制撤去(行政代執行)するなどの強硬手段が講じられることになるのです。

こうした一連の強硬手段は平成27年5月26日より開始されました。親の家を引き継いだら、ただちに売りに出したとしても、1年以上かかることは少なくありません。住まないと決めた親の家は、早めにどう有効活用するかを考えないと、いずれ世間から「迷惑な空き家」と見なされることになってしまいます。

親の家の空き家対策について、もっと詳しくお知りになりたい方は、こちらの本をぜひ!

『どうする? 親の家の空き家問題』著 大久保恭子

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「マンション評価ナビ」の企画・運営を手がける㈱風の代表取締役。
1979年リクルート入社。週刊住宅情報編集長、執行役員等を務める。日立キャピタル業務役員、日本住宅ローン取締役を経て、2005年、㈱風の代表取締役就任。一般財団法人 住まいづくりナビセンター理事を兼務。
その他、国土交通省 社会資本整備審議会建築分科会委員、東京都住宅政策審議会委員などの公職を歴任。著書に『マンション選びは「立地」がすべて』『お片付けは「家ロジ」で。』がある。