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失敗しない高齢者施設の選び方・入門編

最後まで自宅で過ごしたいと思っても、自宅での生活が困難になることがあります。施設を撰択することに罪悪感をいだく人もいますが(親が望んでいても)、避けられない時があるのも事実。高齢者施設を上手に選ぶコツはなんでしょう?

介護度によっても、入れる施設は異なる

高齢者施設は種類が多く、要介護の状態で対象となる施設が異なります。以下に代表的な施設を挙げて、その特長を簡単に紹介します。*個別の施設によって、料金や条件が異なりますので、申し込む前によく調べてください。

 

🔴特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)

常時介護が必要で在宅介護が困難な人対象。平成27年より要介護3以上の人でないと、申し込みができなくなった(既に入所中の場合は、要介護3以下でもOK)。生活介護や機能訓練、健康管理が受けられる。入所待機者が多いが、入所は受付順ではなく介護度や家庭環境などを総合的に判断して決められる「優先度」の高い人から。

🔴介護老人保健施設

病気やケガなどの急性期の治療を終え、安定期にある要介護者対象(退院後、自宅に戻る前に一定期間入所する形式)。家庭や地域への復帰を目指して機能回復訓練を行う。入所期間が設けられており、3~6ヶ月が目安。特別養護老人ホームに入所するための「つなぎ」として利用する人も。

🔴グループホーム

認知症の症状がある要介護者などで共同生活を送れる人が対象。少人数の家庭的な雰囲気の中で共同生活を送ることで、認知症の進行を遅らせたり落ち着いた生活ができるようにする。

🔴有料老人ホーム

民間事業者が運営する施設。介護サービスを行っているタイプと、外部の介護サービスを利用するタイプがある。入居時に自立が条件、要介護が条件など施設によって、条件が異なる。利用料や入居一時金などの費用は、施設によってさまざま。

🔴その他

60歳以上の人か60歳以上の配偶者を融資独立した生活に不安のある人が対象の「軽費老人ホーム(ケアハウス)」や介護付きの介護型ケアハウスなどがある。また、最近増えているのが「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」。これは「施設」ではなく、高齢者向けの賃貸住宅。バリアフリー仕様で安否確認や生活相談サービスを受けられる。介護度が低い人で、見守りが必要という人に向いている。

複数見学してから決めるのが基本

高齢者施設は、親の住んでいる地域だけでなく、将来親を呼び寄せる可能性も考えて、自分の家の近くの施設も調べておくのが安心。施設によって料金や入所の条件が異なるので、パンフレットを取り寄せたり、インターネットで情報を集めたりしましょう。高齢者施設の紹介業もありますので、利用しても良いかもしれません。情報を集めたら、必ず複数見学を。特別養護老人ホームの場合などは入居待機者が多いので、介護老人保健施設や有料老人ホームなども同時に見学しておくのがおすすめ。見学の際は、施設の雰囲気や生活感、食事の内容、入所者の暮らしぶりなどをじっくりチェックしましょう。民間業者が運営する有料老人ホームの場合は、お試しで宿泊出来る所などもあります。(太田差惠子さん・離れて暮らす親のケアを考える会「パオッコ」理事長)