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連載 パナホーム株式会社 リフォーム技術部 水口努さんが伝授!「親家片世代リフォームのツボ」第5回 心にしこりを残さないリフォームとは

子どもの独立や孫の誕生など、家族構成や生活パターンの変化に応じて行われることが多いリフォーム。プランを立てているときは、「こんな空間がほしい」「リビングはこんなイメージにしたい」など、新しい生活への夢がふくらむものです。

しかし、「夫婦の意見が違っていたり、どちらかが自分の希望を言えずにいることも稀ではありません」と水口さん。夫婦間で心にしこりを残さないためには、どんなことが大切なのでしょう。

 

実は避けたい“互いの意見を足して2で割る”プラン

「部屋の間取りを変えるような大がかりなリフォームでは、ご主人の意見を優先して設える場所と、奥様のご意見を優先する場所をそれぞれ決めることが大切です。ご夫婦で考えが違うと『お互いの意見を足して2で割るといいのではないか』と思われるかもしれませんが、実はこれがあまりよくないのです。自分の希望が完全に通っているわけではないので、お互いに何となく納得できない、という結末になってしまうことがあるのです」

 

たとえば、リビングの一角には夫の趣味のコーナーを設え、寝室は妻の希望通りの雰囲気に仕上げるなど、「自分の希望が叶っている」場所を作ることが、満足して暮らせるポイントなのだそう。

 

「意見が合わないからといって、決して夫婦仲が悪いわけではありません。ただ、それぞれ新生活に対する希望があるのは当然のことで、それがきちんと具現化できていないと、どこか心残りのまま暮らしてしまいます。ご家族、ご夫婦の意見を整合し、みなさんの思いが実現するプランを提案するのが我々の仕事ですが、そのために何よりも大切なのは、本音をどこまで引き出せるかだと思っています」

 

夫婦がハッキリとお互いの意見を言いあえる関係であればいいけれど、なかには本音を言い出せない夫婦も。そんな場合、水口さんはこっそりと本音を聞き出し、希望をプランに取り入れることもあるそう。

 

「『こういう部屋にしたい!』という明確な希望がなくても構いません。おぼろげに頭に浮かんでいる、言葉にならないイメージを、私たちは汲み取って形にしていきますから。たとえば『リゾートホテルっぽい雰囲気』だけでも大丈夫です。その先の『ではどんなホテルにしましょうか』を一緒に進めていくのがリフォームです」

リフォームトラブルを回避するために心がけたいこと

「自分の意見をどこまで理解し、形にしてくれるか……」。リフォームでは、担当者との信頼関係もとても重要です。リフォームをめぐる業者とのトラブルをニュースなどでも耳にしますが、不要なトラブルに巻き込まれないためには、上手な進め方があるといいます。

 

「リフォームを検討するときには、複数社に依頼することが大きなポイントです。リフォーム会社といっても、ハウスメーカー系、住宅設備などのメーカー系、工務店など多種多様で、特長や費用も違います。その中で、どこが希望のリフォームに合っているのかを探すことが大事です。

しかしながら、『複数社に見積もりを依頼する』ことが、日本人はとても苦手です。たとえば3社にそれぞれリフォーム現場まで来てもらい、見積もりを出してもらったら、2社は断らなければいけません。それを考えると複数社に依頼するのは気が引ける、見積もりまでしてもらったのに断るのは申し訳ない、となってしまうのです。

でも、その優しさや心遣いが災いし、1社だけに見積もりを依頼して、どこか違和感があるのに断ることができずに進めてしまった結果、大きな後悔をするケースもあるのです。会社はもちろんのこと、担当者にも合う・合わないはありますから、もし納得のいかないプランを提案されたら、担当者を変えるのだってありなんです」

 

トラブルや後悔を避けるためには、複数社への見積もりはなるべく行いたいところ。しかしながら、候補のリフォーム会社を選ぶのも、素人の私たちにとっては至難の業。そんなときに活用したいサービスを次回はご紹介します。

 

(第6回へ続きます)

取材・文/長澤幸代

 

パナホーム水口さまプロフィールナホーム株式会社 リフォーム技術部 チーフマネージャー 水口努さん

1988年松下電工株式会社(現:パナソニック)入社。
キッチン・バスなど住宅設備機器のデザインを担当。2004年より中国でパナソニックの内装業を立ち上げ、素敵な空間づくりで中国人の心をつかむ。2013年4月よりパナホーム株式会社においてリフォーム部門の設計を担当。 
パナホーム株式会社 http://www.panahome.jp/

 


2015/06/24 | キーワド: , , | 記事: