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編集長・古戸郷子からのメッセージ~親家片の楽しみ その1 知らなかった自分を発見?~

片づけ中に出てきた子ども時代の作品に、ふっと癒され……

 「どうしてこんなものまで、こんなにたくさん、とっておいたの?!」

親の家には、たいてい、押入れや納戸の奥深くまで、ものがぎっしり。何が飛び出すのかわからないスリルが満点なのが、親家片の醍醐味? とも言えるかもしれません。親家片進行中のあなたは、どんなものにびっくりしていらっしゃるでしょうか。

親の家で大量に発見されるものはいろいろありますが、そのひとつに、子どもの教科書やノート、絵や作文といった作品などがあります。ただ、子どもの思い出にまつわるものは捨てられないというのは、「もったいない世代」の親たちに限ったことではなく、私の友人世代でも、話をしてみると相当に溜め込んでいる人が多いことにびっくりします。私自身も例外ではないのですが……。

そして私の親家片でも、まあ後から後から、半世紀の歳月に相当に古びた子ども時代のものが出てきました。小学校高学年で描いたと思われる、自分では全く記憶のない絵が出てきたとき、実はとても衝撃的でした。

そこには、大きな画用紙に実にたくさんの人が書き込んであって、いまの自分からは想像できない、粘り強さ? が感じられて、「こんなときがあったんだ、私」とびっくりしてしまったのでした。

夏休みの宿題の絵日記を見たときには、これもすっかり忘れていたのですが、おそらく毎日、母が少しずつ手伝ってくれたような跡があり、ふっと小学校低学年の自分と母の姿が甦ってきたりしました。先を急いでいて、処分することで頭がいっぱいだった私も、そのときはちょっと気分が和んでいたような気がします。

ものを大切にするというのは「目に触れさせること」

親たちは、子どもの思い出にまつわるものはなんとなく捨てられなくて、でもそれを見返したり整理したりする余裕も持てないまま年月がたって、そのままになってしまうということが多いのだと思いますが、そっくりそのまま残っていることで、より鮮明にそのときの記憶が甦ってくるように思います。

親にとっては大事だったはずのものも、子ども自身にとっては「別にそれほどでもない」ということも多いと思いますが、だからとっとと片づけて処分する、というのではなく、しばらく片づけの手を休めて、ゆっくり眺めてみると、忘れていた景色が見えたりするのではないかと思います。

思い出のものは写真にとって保存する、というのも、とてもいいアイディアではあるのですが、それが絶対に正解とは限らないな、それよりは、ものをしまいっぱなしにしないで、少しずつ自分の目に触れさせることが大事なのかな、と考えたりもしています。

 

 

 

 


2015/06/13 | キーワド: , , | 記事: