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お墓を継ぐ、分骨、散骨……自分自身の「お墓問題」はどうする? 【メモリアルアートの大野屋の聞く、親家片世代のお墓問題 第3回】

遠方にあるお墓(骨壷)の引っ越しや、無縁墓になりそうな実家のお墓をどうするのかなど、家の相続と同じようにふりかかる「お墓問題」。誰に相談するべきか、何から行えばいいのかわからないことが多く、仏事にまつわるトータルサービスを行う「メモリアルアートの大野屋」にも、毎日さまざまな問い合わせが寄せられています。今回は、お墓についての素朴な疑問を、同テレホンセンター所長 川瀬由紀さんにおうかがいしました。

 

実家のお墓を継ぐことに。
お墓の維持のために何をする?

年間管理費の支払いと法事の主催が大きな役目です

維持をするためには、まず年間管理費を墓地などに支払う必要があります。ただし、管理料といっても多くの墓地の場合、自分の区画は自分で管理をしなくてはいけませんので、雑草の手入れや掃除はご自身で行うことになります。

そのほか、法事をつとめることも必要です。一般的に法事は33回忌まで行う場合が多く、そのあとは「弔い上げ」といって、ほかのご先祖様のひとりとしてお盆やお彼岸にお参りする形をとります。ただ、33回忌はだいぶ先の話。ご家庭によっては13回忌や27回忌までという場合もあります。

 

どんどん増える塔婆、そのままでいい?

年に1回は新しく立て、古いものはお焚き上げを

塔婆は立てること自体がご供養になりますので、お盆やお彼岸、命日などに新たに立てて、そのときに古い塔婆を撤去し、お焚き上げをしてもらうのが理想です。何年も放置しているケースも多々ありますが、できれば新しい塔婆を立てるときには、古いものは処分するといいですね。

 

主人の家のお墓に入りたくないので、分骨を希望しています

まず、お墓を将来管理する親族の了承を得ましょう

関係者の了承を得ていれば、分骨は可能です。もしご自分のお墓を新たに建てられるとなると、お子さまたちやご親族が父母それぞれのお墓を管理することになり、金銭的に負担がかかる可能性があります。分骨に関しては、お子さまたちにもきちんと了承を得ることが大切です。

あらかじめ分骨することが決まっているなら、葬儀の際に分骨用の骨壷を用意し、火葬場でわけることもできます。しかし、葬儀のときはあまり気持ちに余裕がないので、一旦ご自宅へ持ち帰り、後にお寺などで分骨するケースも多くあります。

「分骨してほしい」などお墓に関する希望は、遺言書に記しても法的な拘束力はありません。正式な遺言書でも、あくまでも「希望」であり、そこが相続とは異なるところです。また分骨したお骨を納骨する際には「分骨証明書」が必要になります。

 

お墓に納骨せず、すべて散骨できる?

散骨の場所など自主規制が必要です

法規制があるわけではないので、すべてを散骨するのも可能です。散骨するときはパウダー状にし、海洋散骨なら沖合まで出る、私有地にはまかないなど、「自主規制」がとても大切になります。

しかし、親族が故人を偲んで手を合わせる場所までなくなってしまいますので、すべてを散骨するのはかなり稀です。

 

■散骨や分骨など「納骨」に関することは、自分自身の思いはさることながら、それを行う家族の気持ちも考慮したいもの。特別な希望があるなら、まずは家族に相談をしましょう。

 

大野屋テレホンセンター 0120-02-8888(年中無休・9:00~20:00)

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(第4回へ続きます)

メモリアルアートの大野屋
テレホンセンター所長 川瀬由紀さん
仏事アドバイザー。「大野屋テレホンセンター」所長として、年間2万件を超える相談、問い合わせに対応。相談者の視点に立った親身なアドバイスを行う。お墓ディレクター1級、仏事コーディネーターの資格を保有。現在、ラジオ日本「マット安川のずばり勝負」(毎週金曜日12:30~15:00)内コーナー「川瀬由紀のくらしの中の仏事」に出演中。著書に『お葬式・法要のQ&Aハンドブック』(主婦と生活社)がある。

取材・文/長澤幸代


2015/06/10 | キーワド: , , | 記事: