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スッキリ生活アドバイザー宮城美智子の「片づけ上手は老い上手」 第40回~「効率的」はときに親子関係に軋轢を生む~

 

心の整理をつけるには時間をかけることも必要

宮城さん流の片づけでは、3つの箱を使って「いる」「いらない」「?(保留)」に仕分けしていくことをすすめています。3つに分類することで仕分けがスピーディに進むほか、保留ボックスのおかげで処分に迷うものを強引に捨てなくても済み、心に余裕が生まれる効果もあります。

「私が以前お手伝いをした方に、段ボール20箱分もの『?』ボックスができてしまった人がいました。今すぐ使うものではないけれど、どうしても捨てられない……。でも、20箱もの段ボールを置きっぱなしにしたら、箱に囲まれて生活するような状態になってしまいます。

そこで、トランクルームを借りることにしました。1 カ月1万6000円の賃料で、1年契約。20箱の段ボールがトランクルームにおさまりました。

さて1年後、『トランクルームはどうしますか?』とお尋ねしたら、「実は1年間、1度も行かなかった。もうそのまま全部処分しちゃってください」と晴れ晴れとした声でおっしゃったのです。1年間という時間が、物への思い、捨てることへの迷いを消してくれたのですね。

親の心の痛みを落ち着かせる時間も必要

このように、たとえ時間がかかったとしても、心の整理ができれば未練はすっぱりなくなるもの。トランクルームにかけたお金は一見ムダのように見えるかもしれませんが、迷っているうちに強引にお別れする心の痛みを考えれば、必要な経費だったとも捉えられます。

子ども側は、とかく合理的に、効率的に、と考えがちですが、親の心の整理ができるまで待つ、というゆとりも大切ですね」

子どもが主体となって要・不要の判断をしようとすると、どうしても軋轢が生まれてしまいます。親自身が納得して、「残すもの」「処分するもの」を決めることが、円満な親家片の何よりのポイントといえそうです。

 

(第41回へ続きます)

 

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宮城美智子さんプロフィール画像edited宮城美智子 みやぎ・みちこ スッキリ生活アドバイザー、収納コーディネーター

1947年滋賀県生まれ。50歳からアート引越センターに勤務し、主婦経験を生かしてアートエプロンサービス(家庭内の片づけをサポート)の担当部長となる。片づけや掃除の独自のノウハウを構築し60歳で独立。現在はハート引越センターの収納サポートレディ育成のほか、高齢者住宅の収納プランニング、講演活動、テレビ・雑誌などで活躍中。これまで1万人以上の片づけをサポート。特に高齢者の家にあふれるモノの整理をアドバイスし、多くの人から感謝されている。

宮城美智子オフィシャルサイト  http://theworks.co.jp/miyagi/
ハート引越センター http://www.hikkoshi8100.com/