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主婦弁 澤田有紀の「親・家・片」法律コーナー 第12回 ~片づけ専門業者とのトラブルが起きたらどうする!? 前編~

知らない間に持ちだされてしまうことも……。
親の持ち物や貴重品の置き場所は必ず事前に確認

親の家を片づけていて、その処分をめぐって悪質業者とトラブルになると、経済的にも精神的にも負担が増えてしまって大変です。

悪質業者とのトラブルの主な例としては、

①貴重品の無断回収や買い取りに関すること

②見積もりを大幅に上回る追加料金や高額なキャンセル料を請求するなど、料金に関することです。
親と離れて住んでいた子どもが親の家にある荷物を吟味しきれなかったり、思わぬところに貴重品が隠してあることなどから、貴重品を無断で回収されてしまう危険があります。

 

急いでいる場合でも、貴重品の確保だけは必ず行う

法的には、遺品整理の依頼は貴重品の処分まで容認しているものではないので、業者が勝手に持ち出すことは「窃盗」にあたります。しかし、無断で持ち出されても発覚せず、被害が埋もれてしまいがちなのも事実です。

このような被害を防ぐためには、信頼できる業者を選定することはもちろんですが、最初から業者に丸投げせず、あるべき貴重品をリストアップして、これらを探し終えてから依頼すること、作業中に立ち会うことなどが肝要です。
無断でなくても、それなりに価値があると思われる貴金属などを二束三文の値段で引き取られることもあります。家に来た遺品整理業者に買い取りを依頼すると、低額な金額を提示されてもほかの作業を依頼する手前、断りにくくなってしまいます。かさばるものではければ、店舗を構えている複数の古物商に持参して査定を依頼しましょう。

作業の途中で、見積もりを大幅に超える請求額に跳ね上がる

料金をめぐるトラブルも多数報告されています。
見積もりをとって依頼しても、作業が始まってから多額の追加料金を請求されることがあります。私の知り合いの方も、当初見積もりでは40万円と言われていたのに、作業の途中で想定外に処分費用がかかるものが見つかったとのことで、計180万円になると言われました。

あまりの高額に戸惑ったけれど、もう作業も始まっていて今さら断れないし、大変な出費にはなるけれども払えない金額ではなかったので、言われるままに支払ったそうです。

最初から180万円と言われていれば、複数の業者に見積もりを依頼したり、ある程度は自分で片づけてから依頼しようと思ったかもしれないのに、作業が始まって事実上断れない状況で、多額の追加料金の承諾を迫るのは、あまりにも悪質というほかありません。

(後編に続きます)

 

澤田先生の法律事務所 弁護士法人みお綜合法律事務所 http://www.miolaw.jp/

sawada澤田有紀 
弁護士。弁護士法人みお綜合法律事務所代表。奈良県生まれ。1985年大阪大学文学部英文科卒業後、商社勤務後エレクトーン講師に。阪神淡路大震災をきっかけに、「何か人の役に立つことがしたい」と一念発起。弁護士を目指す。1回で司法試験に合格し、2000年に弁護士の道へ。専業主婦から弁護士になった「主婦弁」として各メディで活躍中。主な著書に『人生を変える!3分割勉強法』(祥伝社)、『カード&住宅ローン危機』、『相続でもめないための遺言書』『どうする?親の相続』(ともに主婦の友社)など。

 

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2015/05/04 | キーワド: , , , | 記事: