専門家に聞く

「行政書士」に聞く!「車や農地の相続の落とし穴」 第2回~農地転用に関することは、相続前からプランニングを~

相続した土地の登記簿の地目欄に
「田」や「畑」と記載されていたら注意

 

「相続した財産に『農地』が含まれている場合は注意が必要です。土地の登記簿の地目欄に『田』や『畑』と記載されていたら、その土地は少なくとも登記上は『農地』です。農地を農地以外のものとして使うことを『農地転用』といいますが、市街化区域の農地転用は、農業委員会への届け出という比較的難しくない手続きでできます。

それ以外の区域の農地転用は、都道府県知事や、場合によっては農林水産大臣の許可を得なければできません。この許可は農業政策の観点から、場所によっては厳しく制限されており、容易には受けられません。これらの手続きをせずにした農地転用行為は無効であり、刑罰の対象となりえます。

たとえば、相続した農地を駐車場やアパートにしようと考えている場合など、注意が必要ですね」と、行政書士法人桑都の代表行政書士である井上克巳さんは説明します。

 

農地を相続した者が農業を継がない結果として休耕地として放置されているという例が実際には多く、特に問題になっています。このような問題を受けて、平成21年の農地法改正では、農地の有効活用のために、規制緩和措置を講じたり、相続農地の農業委員会への届け出義務を新たに課しました。

なお、農地相続の届け出や農地転用許可申請等の行政手続きは行政書士、法務局の登記手続き関係は司法書士と土地家屋調査士が行います。

 

相続する土地が生産緑地の指定を受けていたら注意が必要

市街化区域内の農地であっても『生産緑地地区』として指定を受けた農地を相続する場合には注意が必要です。そのまま農地として相続することも可能ですが、買い取りの申し出をすることも可能です。ただしそこには、大きな落とし穴も。

 

「一度農地として相続してしまうと、その解除は容易ではないのです。重度の障がいにより農業に従事することができなくなった場合等でなければ、買い取りの申し出はできないことになっています。農業を続けていくのか? 転用して用途を変えるのか? 農地を賃貸するのか? ご自身のライフプランに合わせて相続前から検討しておくことが肝要だと思います」

 

行政書士は、行政担当者との打ち合わせが必要不可欠となる農地転用等に関する行政手続きの専門家です。各都道府県の行政書士会にまずは相談し、農地転用手続きなどに詳しい行政書士を紹介してもらうことがおすすめです。

(第3回へ続きます)

 

日本行政書士会連合会 http://www.gyosei.or.jp/

2015/04/17 | キーワド: , , , , | 記事: