専門家に聞く

身近な暮らしの中の法律家「司法書士」によく耳にするあの法律問題を直撃! 第4回 後見人の役割って? 

親が認知症になってしまった場合など、十分な判断能力がないときに、親の財産を後見人が代理人として守る「成年後見制度」。一体どんな場合に後見人が必要になるのでしょう。とくに財産の管理面で、後見人はどんな役割を果たすのか、日本司法書士会連合会 常任理事峯田文雄さん、広報委員堀江和浩さんにお聞きしました。

 

遺産分割協議に参加し、
法定相続分を確保するのも役割

「実家に面している道路の拡張工事が行われるなどの理由で、実家を処分しなくてはならない場合や、親の介護費用がかかり、実家を売却してそのお金を介護費用にあてる場合が考えられます。また、本人が不動産などの相続人であれば、遺産分割協議に参加します。この場合、法定相続分を後見人は確保するようにします。後見人は依頼人の財産を守るために存在しますので、『いりません』と言うわけにはいきません」
遺産分割協議は、相続人の誰かひとりでも欠けていると成立しないのですが、遺産を相続するのは今の時代、若い世代だけではありません。

「老々介護という言葉がありますが、老々相続なるものも増えているんです」というように、少子化が進む現在、これが今後大きな問題となる可能性があるのです。
「子どもがいない夫婦の場合は、遺産はきょうだいに相続されます。しかし相続人もそれなりに年齢を重ねていると、誰かが認知症になっていることもあり、遺産分割協議が成り立ず、そのために後見人を選任するケースもあります。これは今後さらに増えていくでしょう」

 

生活の中の小さな問題こそ司法書士に相談を

親家片の過程で、ほとんどの場合に生じる法律問題。放置するのはよくないとわかっていても、専門家に相談するとなると、なんだか敷居が高く、難しい専門用語ばかりを言われそうで気が引けてしまうもの……。
「司法書士の事務所へ行くのはちょっとハードルが高い、と感じているのなら、自治体などが行っている無料相談会へ出向くのもいいと思います。そういう場がきっかけであれば、相続のことなども相談しやすいのではないでしょうか。相続や成年後見制度のほかにも、日常生活や家庭内の問題が、実は法律問題と大きく関わっていることはまれではなく、ずっとひとりで悩んでいた問題が、司法書士に相談したことによって解決することも多いんです」
弁護士に相談するべきか、税理士に相談するべきかなど、今抱えている問題をどうすればいいかも、司法書士は適切なアドバイスをくれます。不要なトラブルに巻き込まれないためにも、「身近な法律家」の力を借りるのは決して特別なことではないのです。

 

■司法書士にお願いできる、親家片にまつわる主なこと■
★遺言書の作成アドバイス
★相続人の調査
★遺産分割協議書の作成
★不動産の登記手続き
★相続放棄手続き
★成年後見業務
★家庭裁判所に提出する書類の作成
ほかに少額訴訟債権執行の代理、筆界特定(土地の境界線を特定する)手続きなどもある
日本司法書士会連合会
http://www.shiho-shoshi.or.jp/