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身近な暮らしの中の法律家「司法書士」に、よく耳にするあの法律問題を直撃! 第1回 相続登記って?

 

親が亡くなった瞬間から生じる「相続」。「何から始めればいいのかわからない!」「相続する遺産がどれくらいあるのかわからない」と戸惑うケースは少なくありません。

そんなときに頼りになるのが「身近な暮らしの中の法律家」である司法書士。不動産登記や成年後見制度など「親家片」とは切り離せない法律問題を、日本司法書士会連合会 常任理事峯田文雄さん、広報委員堀江和浩さんにわかりやすく説明していただきました。

 

相続したままでは、後々トラブルになる可能性も。
不動産を相続したら名義変更、登記手続きを

「親が亡くなり相続が発生すると、『実家は誰が相続する?』など相続人の間で話し合い(遺産分割協議)をすることになります。そこで『じゃあ実家は長男が相続することで決定』と相続人全員で納得したとします。しかしそれを『相続登記』という形にしなければ、世間的に実家は宙ぶらりん状態……、つまり最終的に長男が相続した結果にはなりません。

登記というのはわかりやすくいえば、誰の持ち物であるか、誰に権利があるのかを公示するという意味合いがあります」
実はこの『相続登記』をしていないケースは、都市部よりも地方のほうが多いといいます。とくに日本の森林(私有地)においては、6割以上が「誰が所有しているのか不明」な状態ともいわれているのです。

時間がたてば相続人のメンバーも気持ちにも変化が起こる可能性も

相続税の申告と違い、相続登記は「いつまでに手続きを」といった期限がないため、「早くやらなきゃ!」となりにくい面があるのも、登記をしない原因のひとつ。しかし、登記をしないままでいると、後々思わぬトラブルが起こることも。

 

「『うちは親族の仲がいいから登記なんかしなくても大丈夫』『みんなで話がついているから急いで登記しなくてもいいか』と、なかなか遺産分割協議などの手続きをしないまま年月がたってしまった場合、いざ申請しようとしても、必要な書類がすぐにそろわないことは珍しくありません。また、申請するまでの間に相続人の誰かが亡くなれば、当然、相続人のメンバーが変わります。数年前の話では相続するのは長男と決まっていても、新しく相続人になった人が異論を唱える可能性もありますし、当時は『いいよ』と言っていた人も、登記をしていない間に気持ちが変わってしまうことだってありえます」

 

日本司法書士会連合会
http://www.shiho-shoshi.or.jp/

 

(第2回へ続きます)