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スッキリ生活アドバイザー宮城美智子の「片づけ上手は老い上手」 第33回 ~50年暮らした家をたたみ、マンションでシンプルな生活を開始 前編~

住まいのサイズダウンをすることで、
今の目標も見えてきた 石川弘子さん・82歳

 

80歳のときに、50年間暮らした一軒家をたたみ、都心のマンションの高層階でひとり暮らしを始める決心をした石川さん。もとの6LDKの自宅は広く、物置つきで、モノがたくさんありました。そこで、引っ越しと、新しい住まいを整えるお手伝いをさせていただくことになりました。

 

自宅はかなり古くなっており、もう快適に暮らせる状態ではなくなっていました。夫は15年前に亡くなり、娘2人も独立。古い家を建て替えるか引っ越すかと考えたときに、「引っ越しをして、ひとりでマンション暮らしを始めたほうが気楽かもしれない」と考えたのです。

 

長女は、「いきなりマンション暮らしなんて、大丈夫かしら」と、ずいぶん心配したようです。なんでも、お知り合いが母親を説得して高層マンションに引っ越しをさせたら、外出しなくなり、認知症の症状が出たという例を聞いたとか。自分の母親もそうなるのではと危惧したようです。

 

当時、私は脚の状態が悪化しつつあったので、ますます引きこもる可能性が高いと思ったのでしょうね。ただ、私の場合、自分からマンション暮らしをしたいと思ったわけですし、それなりに楽しみにしていましたので、娘の心配をよそに、「大丈夫」と自信を持っていました。引っ越しを機会に持ち物を整理し、住まいを小さくすることで、生活をシンプルにしたいという思いもあったのです。

 

持ち物の整理をどのように進めるかは、宮城さんと話し合って決めました。たとえば、引き出しを開けてひとつひとつ、「これは残すか、残さないか」とやっていると、時間がいくらあってもたりないことは明白。なにしろ50年、暮らしてきた家です。そして、私はお片づけが得意ではありませんので、モノは山のようにたまっていました。だから、「必要なモノ、大切なモノだけ取り出して持っていき、あとは家と一緒に業者に処分してもらおう」と決めました。

 

マンションの収納スペースは限られています。そして、これからはシンプルに暮らしたいというお話でしたので、「大事なモノ、必要なモノだけ持っていきましょう」と宮城さんはアドバイス。さらに、好きなモノだけに囲まれた暮らしを実現するため、「石川さんにとって何が大事ですか? モノに優先順位をつけるとしたら?」と宮城さんは質問をしました。

 

実は下の娘が蒐集していたのをきっかけに、私もスヌーピーのぬいぐるみが大好きになりました。たくさんのスヌーピーたちに囲まれていれば幸せ。

それから、クラシック音楽を聴くのが趣味で、多くのCDを大事にしています。これらは、住まいがかわっても手放したくないモノです。この2つのモノさえあれば、あとは思いきって処分できます。

 

スヌーピーたちが入っていた100を超える箱は、すべて汚れないように気をつけて物置に保管していました。でも、場所をふさぐ箱を、マンションには持っていけない。箱までとっておいたら、そのうちスヌーピーを捨てなければならないでしょう。だから、箱は2つだけ残して、あとはどんなにかわいいデザインのものでも捨ててしまいました。

 

家具も片っ端から処分することに。夫がヨーロッパから買ってきた家具にも未練がなく、「捨ててください」と言ったら、娘たちがあわてて「だったら私が引き取る」と申し出たりしたんですよ(笑)。

 

(後編に続きます)

 

 

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宮城美智子さんプロフィール画像edited宮城美智子 みやぎ・みちこ スッキリ生活アドバイザー、収納コーディネーター

1947年滋賀県生まれ。50歳からアート引越センターに勤務し、主婦経験を生かしてアートエプロンサービス(家庭内の片づけをサポート)の担当部長となる。片づけや掃除の独自のノウハウを構築し60歳で独立。現在はハート引越センターの収納サポートレディ育成のほか、高齢者住宅の収納プランニング、講演活動、テレビ・雑誌などで活躍中。これまで1万人以上の片づけをサポート。特に高齢者の家にあふれるモノの整理をアドバイスし、多くの人から感謝されている。

宮城美智子オフィシャルサイト  http://theworks.co.jp/miyagi/
ハート引越センター http://www.hikkoshi8100.com/