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遺品整理のプロ 吉田太一の「親家片のススメ」 第28回 ~数日間の親家片でさえ、時間を確保するのは難しい~

早く片づけたいが、時間がない

「親の家は賃貸住宅なので月末までに部屋を片づけて返却しないといけないのですが、自分たちではどうすることもできません」

 

よくあるご相談です。仕事が忙しくて会社を休むことができず、距離にかかわらず親の家に行く時間が全く取れないという方たちです。

葬儀は忌引きで会社を休めるが、その後さらに休むと他の社員に迷惑がかかったり、冷たい目で見られるので気を使って休めないなどの理由が一番多いかもしれません。

 

ケースによっては、見積もりに立ち会う時間さえ取れないので、当日に見積もりをして、その日中に片づけを完了してほしいとおっしゃる方や、見積もりには立ち会えるが、作業日には来られないのでと鍵を預けられる方も大変多いのが現状です。

 

お子さんが小さい場合などもそうで、誰かに子どもを数日間預けるなどということも現実には厳しいのです。本来、預けることができるはずの、親の家を片づけるために、別の預け先を探さないといけないわけですからね。

 

最近増えているのは、伴侶の親の介護をしているため自分の実家の片づけに行くことができないというケースです。

「海外赴任が長く定住しているのでなかなか帰国できない」とか、年中無休をうたっている店舗などの個人経営者から「任せられる人がいないので」と相談されたりもします。

 

このように、途方に暮れてしまったご遺族からの依頼が多いのです。日常生活のサイクルを変更して、数日間の日程を捻出することは意外に難しいということでしょう。

 

・仕事が忙しくて会社を休ませてもらえない

・葬儀で休みをもらっているので、さらに休みを取りにくい

・数日間、子どもを預かってくれる先が見つからない

・子どもに学校をいつまでも休ませるわけにはいかない

・海外に定住しており、日本に帰国できる日数が限られている

・自宅に高齢者を抱えており、世話をしなくてはいけないので行けない

・自営業で店を休むわけにはいかない

このような理由に当てはまる人は多いはずです。

 

 

吉田太一(よしだ たいち)
1964年生まれ。大阪府出身。日本初の遺品整理専門会社「キーパーズ有限会社」代表取締役。独居老人の増加に伴い身内の遺品の整理で困っている人が多いことに着目し、「天国へのお引越し®」をキャッチフレーズとした同社を設立。年間1500件に及ぶ遺品整理サービスを提供するほか、年間50回以上の講演活動、メディア取材で全国を飛び回る日々。まさに「親家片」のエキスパート。著書は『遺品整理屋は見た!』『孤立死 あなたは大丈夫ですか?』(以上扶桑社)、『私の遺品お願いします。』(幻冬舎)ほか多数。さだまさし原作の映画『アントキノイノチ』のモデルとしても知られる。
キーパーズホームページ http://www.keepers.jp/

2015/03/17 | キーワド: , , , | 記事: