専門家に聞く

遺品整理のプロ 吉田太一の「親家片のススメ」 第26回 ~最も厄介なキッチン周りの片づけはこうやる!

まず食卓の上をキレイに、
足場を確保するのもポイント

 

私の経験上、親の家の片づけでいちばん手間がかかるのはキッチンでしょう。例えば屋根裏の片づけは、かがまなくてならない場合がほとんどで腰に負担がかかり、それはそれで大変ですが、どこの家にでもあるわけではないので、やはり一番大変で手間のかかるのはキッチンではないかと思います。

 

キッチンのスペースは比較的狭い場合が多く、その上、使わなくなった食卓の上に物が乱雑に置かれていたりして、段ボール箱の置き場にも困り、整理に苦労するものです。

 

生ものや水もの、ペットボトル、缶、油、調味料、蜂蜜、缶詰といったように、可燃物、不燃物、資源ごみが混在しています。ガラスや陶器類は残すにしても捨てるにしても、取り扱いがやっかいです。

 

怪我をしやすい場所でもあります。手足を切ったりしないように軍手をはめ、厚手のスリッパをはいて作業を進めるのが鉄則です。

 

 

余談ですが、仮に電気が長い間止まっていた冷蔵庫を片づけるためにドアを開けなくてはならないとしたら、強烈な異臭を覚悟しておかなければなりません。キーパーズのスタッフも「半年も1年も電気が通っていなかった冷蔵庫を開けるのは怖い!」といっています。

まったくその通りで、電気が稼働しないまま閉め切って放置された冷蔵庫は、食材が腐っています。ドアを開けようものなら、強烈な鼻をつく匂いが襲ってきます。なかには、開けた瞬間にハエが数百匹も飛び出してくることもあるので注意しなければなりません。

 

キッチン整理のポイント

 

キッチン整理の鉄則は、最初に足場を確保すること。足場を確保するか否かで、整理にかかる時間が違ってきます。

 

1 床に置いてある物を、できるだけ先に片づける(作業スペースを確保するため)

2 段ボール箱を数個並べられるように置き場を確保

3 食卓の上の物を片づける。食卓は食器棚や吊戸棚の片づけが終わるまで残す

4 食器棚や戸棚の中にある物を、食卓の上に一時的に置く(腰の高さに置けるため、腰の負担が軽減される)

5 瓶やペットボトルの中身はシンクに流す(重くなると作業に負担がかかり、処分を依頼するにしても費用が高くつく)

6 生ものはまとめて、地域のごみ収集日に出す(業者によっては生ものを引き取らないことがある。引き取っても処分費用が高くつく)

7 鉄類やステンレス、アルミ類をできるだけ分ける

8 カセットコンロのガスボンベは、危険なので自分たちで穴あけせずに、ライターや乾電池などと一緒にまとめて指定日にごみ出しするか、廃棄業者に渡す

9 油や蜂蜜は流しに流せないので、まとめて処理をする

10 包丁は新聞紙や布で包む。ただし、包丁であることがわかるように柄の部分は見えるようにしておく

 

吉田太一(よしだ たいち)
1964年生まれ。大阪府出身。日本初の遺品整理専門会社「キーパーズ有限会社」代表取締役。独居老人の増加に伴い身内の遺品の整理で困っている人が多いことに着目し、「天国へのお引越し®」をキャッチフレーズとした同社を設立。年間1500件に及ぶ遺品整理サービスを提供するほか、年間50回以上の講演活動、メディア取材で全国を飛び回る日々。まさに「親家片」のエキスパート。著書は『遺品整理屋は見た!』『孤立死 あなたは大丈夫ですか?』(以上扶桑社)、『私の遺品お願いします。』(幻冬舎)ほか多数。さだまさし原作の映画『アントキノイノチ』のモデルとしても知られる。
キーパーズホームページ http://www.keepers.jp/