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スッキリ生活アドバイザー宮城美智子の「片づけ上手は老い上手」 第29回 ~ハッピーな老後のためのマイ片づけ 片づけ嫌いな夫が変わったきっかけ 前編~

片づけ嫌いの夫。夫の大切なお酒のボトルを整頓したことで協力的に
吉田純子さん・63歳

 

吉田さんは、宮城さんが片づけセミナーを行ったとき、来場者の中にいた女性でした。セミナーが終わったあと「どうしても一緒に家の片づけをしてほしい」との申し出があり、お宅に伺うことに。お住まいは築23年、6LDKの一戸建てです。
家中にモノが置かれていて、2階の子ども部屋は、息子さん2人が独立後は物置部屋に。とくに目立ったのが、ご主人の書類関係。いたるところに書類やカタログ、古新聞が積み重ねてあり、歩行の邪魔にもなっていました。

 

宮城さんにも最初にお話ししたのですが、私の夫はモノが捨てられない人で、片づけもしません。その上、私が少しでも何かを動かしたり捨てたりすると、とても怒るため、できるだけ夫の持ち物には触らないようにしてきました。その結果、家の中にモノが増えていき、私は整理整頓をする気力もなくなり、モノだらけになってしまいました。

 

「80を過ぎたら高齢者住宅に入る」と夫は言っています。私は、できればこの家で最期まで暮らしたいと思っていますが、10年後には70代で、夫は10歳年上なので80代……。夫婦だけで暮らすのが体力的に無理になってきたら、高齢者向けの住宅に入ることになりそうです。

「そのとき、この状態の家を一気に片づけることができるだろうか」と不安になりました。今から少しずつでも整理しておかないと、将来、必ず困るはめになると思ったので、宮城さんにアドバイスとお手伝いをお願いしたのです。

 

宮城さんが見たところ、家は1年や2年で片づくとは思えない状態。まず、宮城さんが一緒に手を動かしながら片づけのコツを伝えました。そして、数カ月後にまた伺って、進展の様子を見てアドバイスをしたり、新たなノウハウを伝えたり。こうしたことを繰り返しながら、長期戦で片づけをすることになりました。

 

最初に宮城さんから「一番気になっているところはどこですか?」と質問されたので、「自分の洋服です」とお答えしました。本当は夫のモノが一番なのですが、それを片づけるのは論外でしたので、まずは自分の服と答えたのです。

簞笥や衣装ケースを開けると、もう何年も着ていない服が続々と出てきます。あまりにもたくさんあるので、どのようにして「これは処分する服、こちらは残す服」と仕分けしたらいいのかわかりません。

すると、一枚の服を手にとり「これは何年ぐらい着ていませんか?」と宮城さん。「もう5年ぐらいは着ていないと思う」と答えたら、「では、お別れしましょうか? 3年着ていない服は、さよならしても後悔しないと思いますよ」と言われ、そんな気がしてきました。でも、まだ生地もきれいで捨てるには惜しい気がしたので、「貸し農園で畑仕事をやっているから、そのときに着ていくことにします」と言うと、「それはいいですね」と言われて、ホッとしました。

 

宮城さんには、義母が入居している老人ホームの部屋の片づけもお願いしました。義母のワンルームにはモノがたくさんあり、床にもいろいろ置いているので歩くのが大変。認知症ぎみでもあり、過去に私が片づけようとしても納得してくれませんでした。

 

高齢者の部屋の床にモノを置いていると、つまずいたりすべったりするので、とても危険だと宮城さん。そこで、収納ケースを持ち込み、モノを縦にして上から見える状態で入れておくことに。不用品はかなり処分したようです。その後、お義母さまは、ときどき思い出したように「○○はどうした?」「××はどこにある?」と処分したモノを探そうとします。吉田さんが「大丈夫よ、家に置いてあるから」と言うと、安心するそうです。

 

(後編に続きます)

 

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宮城美智子さんプロフィール画像edited宮城美智子 みやぎ・みちこ スッキリ生活アドバイザー、収納コーディネーター

1947年滋賀県生まれ。50歳からアート引越センターに勤務し、主婦経験を生かしてアートエプロンサービス(家庭内の片づけをサポート)の担当部長となる。片づけや掃除の独自のノウハウを構築し60歳で独立。現在はハート引越センターの収納サポートレディ育成のほか、高齢者住宅の収納プランニング、講演活動、テレビ・雑誌などで活躍中。これまで1万人以上の片づけをサポート。特に高齢者の家にあふれるモノの整理をアドバイスし、多くの人から感謝されている。

宮城美智子オフィシャルサイト  http://theworks.co.jp/miyagi/
ハート引越センター http://www.hikkoshi8100.com/