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スッキリ生活アドバイザー宮城美智子の「片づけ上手は老い上手」 第28回 ~ハッピーな老後のためのマイ片づけ 片づけが進むたびに元気に 後編~

 

中山さんは、宮城さんと片づけの打ち合わせをしたときに、「着物は全部、処分をお願いします」ときっぱりおっしゃいました。大変な病を宣告されたことで、すでに〝片づけスイッチ〞が入っていたのかもしれません。お母さまの愛情がこもった着物だと聞いて、宮城さんは「では古着屋を通して、お嫁に出しましょうね」と提案。着物に向かって「ありがとう」と感謝しながら手放した姿から、中山さんのお人柄がうかがえるようだったと言います。

 

宮城さんが、「お嫁に出しましょうね」と言ったとき、ホッとしました。若い方にはわからないかもしれませんが、「お嫁に出す」という言葉には、もらわれた先で幸せになってね、という気持ちが込められています。母の思い出のある大事な着物は私の手元から離れていってしまうけれど、もらわれた先で幸せな第二の人生を送ることができるのだったらうれしい。そう思えたので、すんなりと送り出すことができたのです。

 

家のあちこちに分散して入れてあった洋服や帽子は、宮城さんと一緒にすべて出して一カ所に集め、「いる」「もういらない」と選別をしました。予想以上にたくさんあったのが帽子。帽子が大好きだったので、ついつい買ってしまっていたのです。ひとつひとつ、「これはかぶりますか?」と優しく聞かれると、あまりプレッシャーは感じずに、でも客観的に「それはもうかぶらない」「それはとっておきます」と判断できました。

 

帽子は、普段づかいのモノを残し、あとは処分。あまり時間はかからず、宮城さんが立ち会うことで、中山さんも客観的にモノを見ることができて、判断も早かったのだと思われます。

 

宮城さんは棚に帽子用のスペースをつくり、残した帽子をきれいに並べてくれました。お気に入りのモノがこうして大事に収納されていると、かぶらない帽子は処分してよかったんだと思えます。モノが減った喪失感を感じずにすみました。

 

中山さんは、抗がん剤の治療を受けながら、少しずつ片づけを進めました。そして、部屋がすっきりしていくにつれて、表情が明るく。あるとき、宮城さんが電話をしたら、「久しぶりに友だちと歌舞伎を観に出かけることにしました」と元気な声が返ってきて、宮城さんはとてもうれしく思ったそう。

 

最近、お医者さまに診てもらったら、病気の進行が止まっていて、「いい傾向ですよ」と言われました。あと1年の命と思っていましたが、どうやら、もっと長く生きられるみたいです(笑)。先日、ここに住んでいるお友だちに、「大型客船の旅をしない?」と誘われたので、行ってみようかと思ったり。片づけも続けますよ。次は食器棚の中を整理するつもり。息子は、「心配しなくても、お母さんのモノのことは僕らがやるから」と言ってくれていますが、でも、自分で片づけたほうが、もっと元気になれる気がするんです(笑)。

 

 

(第29回へ続きます)

 

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宮城美智子さんプロフィール画像edited宮城美智子 みやぎ・みちこ スッキリ生活アドバイザー、収納コーディネーター

1947年滋賀県生まれ。50歳からアート引越センターに勤務し、主婦経験を生かしてアートエプロンサービス(家庭内の片づけをサポート)の担当部長となる。片づけや掃除の独自のノウハウを構築し60歳で独立。現在はハート引越センターの収納サポートレディ育成のほか、高齢者住宅の収納プランニング、講演活動、テレビ・雑誌などで活躍中。これまで1万人以上の片づけをサポート。特に高齢者の家にあふれるモノの整理をアドバイスし、多くの人から感謝されている。

宮城美智子オフィシャルサイト  http://theworks.co.jp/miyagi/
ハート引越センター http://www.hikkoshi8100.com/