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スッキリ生活アドバイザー宮城美智子の「片づけ上手は老い上手」 第27回 ~ハッピーな老後のためのマイ片づけ 片づけが進むたびに元気に 前編~

がんを告知され、片づけを開始。整理が進むにつれて元気になり、なんと、病気の進行もストップ! 中山芳子さん・87歳

 

中山さんは14年前に夫婦で千葉県の有料老人ホームに入居。その3年後、ご主人が脳梗塞で亡くなり、現在、ひとり暮らしです。片づけの依頼があったのは、約1年前のことでした。住まいである有料老人ホーム内の掲示板で、宮城さんの片づけ相談会のお知らせを見たのがきっかけだったといいます。

 

宮城さんにお会いする少し前のこと、私は病院で、検査の結果「肺がん」と知らされました。思いがけない病の宣告に、しばらくは茫然。おそらく、あと1〜2年の命でしょう。しかし、もう80代ですし、受け入れるしかないと思ってみたり、生まれたばかりの曾孫の成長をもう少し見守りたいという気持ちになったり……。そして、もし余命いくばくもないのなら、身の回りのモノを整理をしておきたいと考えました。

 

そもそも、私たち夫婦が神奈川県の一戸建てから高齢者住宅に移ったのは、「息子のお嫁さんに迷惑をかけたくない」という思いがあったから。自分が姑で苦労したので、老後は息子たちと離れて暮らし、お嫁さんに負担をかけないことにしたのです。それなのに、私がたくさんの荷物を遺して死んだら、後片づけに困るはず。そう考えると、急に「なんとか持ち物を減らさなければ」という気持ちになったのです。

 

ご主人と一緒に入居した部屋は2LDK。そこを、中山さんはひとりで使っていました。空間にも余裕があったので、いつの間にかモノが増えていたようです。最初にお部屋を拝見したときは、「目線からはずれた場所にずいぶんモノが埋もれていて、これでは生活しにくいだろうな」という感想を宮城さんは持ちました。

 

それまでにも、自分なりに片づけてきたモノはありました。たとえば、亡くなった夫の趣味は、川柳と工芸盆栽の制作。時間をかけて手作りしていた工芸盆栽などは、なかなか処分できません。そこで、一念発起してパソコン教室に通い、文集の作り方を習いました。そして、夫の川柳をパソコンに打ち込み、工芸盆栽も撮影して、それを一冊の遺稿集にまとめたんです。写真に撮って遺稿集に載せ、身内や知人に配って見ていただけたら、安心して工芸盆栽の数を減らすこともできました。

 

それから、ずっと日記や家計簿をつけてきたのですが、昨年の分だけをとっておき、それ以外は捨てることにしました。

宮城さんによると、かさばる思い出のモノを写真に撮ってから処分するというのはいい方法だそう。日記帳や家計簿は1年分だけとっておき、昔のモノは処分した中山さん。これを聞いたとき、宮城さんは中山さんにのことを「いざとなったら、ものごとを合理的に考えて前に進むことのできる方」だと感じたそうです。

 

どうしたらいいのかわからず、宮城さんに手伝ってもらいたいと思ったのが、洋服や帽子、着物、食器などの整理。とくに着物は、ゴミとして捨ててしまうのには抵抗があります。今の住まいに入居するときに、かなりの着物を古着屋に引き取ってもらいました。そして、残していた数枚は、戦時中に母が苦労して作ってくれたもの。でも、もう着物を着ることはないので、全部、手放すことにしました。

 

(後編へ続きます)

 

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宮城美智子さんプロフィール画像edited宮城美智子 みやぎ・みちこ スッキリ生活アドバイザー、収納コーディネーター

1947年滋賀県生まれ。50歳からアート引越センターに勤務し、主婦経験を生かしてアートエプロンサービス(家庭内の片づけをサポート)の担当部長となる。片づけや掃除の独自のノウハウを構築し60歳で独立。現在はハート引越センターの収納サポートレディ育成のほか、高齢者住宅の収納プランニング、講演活動、テレビ・雑誌などで活躍中。これまで1万人以上の片づけをサポート。特に高齢者の家にあふれるモノの整理をアドバイスし、多くの人から感謝されている。

宮城美智子オフィシャルサイト  http://theworks.co.jp/miyagi/
ハート引越センター http://www.hikkoshi8100.com/