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遺品整理のプロ 吉田太一の「親家片のススメ」 第21回 ~後回しにしているうちに気づかぬストレスが~

片づけを先のばしにし、
そのまま空き家を放置する場合も

 

親が亡くなり実家に誰も住まなくなったら、室内に遺された遺品を片づけるということを考えるものですが、実際にはすぐに片づけをせず、しばらく親の遺品を放置している人も多いのです。

 

たしかに、親の家が賃貸物件でないかぎり、急いで片づけないといけない理由がないというのもわかります。

遺族が自分の持ち家をすでに所有しているケースも多く、実家に住む予定はなく、かといって実家の不動産の活用のめどは立たず、仕事も忙しいのでわざわざ今片づけなくてもいいじゃないか、という状況の方々ですね。

 

このようなケースでは、ついつい片づけを後回しにしてしまうのは仕方のないことです。

実際に、手つかずのまま放置されている空き家は2013年現在全国に820万戸以上あり、その多くが実家に誰も住まなくなってしまったケースだと考えられます。

これだけ価格が下がり魅力がなくなって、放置されてしまう不動産が増加するなんて、20年~ 30 年前までは考えられませんでした。

 

片づけ終わって気づく「気になっていることへのストレス」

いつか片づけをしないといけないという問題意識は持っていて、頭の中ではちょっと気になっているという人は大勢いらっしゃいます。

私が出会った多くの人が、「いつか片づけないといけないと思っているのですが、なかなか時間が取れなくて」といっておられるのです。

 

人間は頭の片隅に、いつかしないといけない問題をずっと抱えていることにストレスを感じるものです。無意識に意識している程度ですから、そんなに強いストレスではありませんが、遺品整理が終了すると「実はずっと気になっていたんだけれど、これですごく楽になりました。もっと早くお願いすればよかったです」とおっしゃる方が非常に多いのです。

 

そう考えると、早い段階で遺品整理を行い、親の家を賃貸として貸し出したり、不動産を売却して得た利益を有効に活用することも、賢い「親家片」の手段なのかもしれません。

 

吉田太一(よしだ たいち)
1964年生まれ。大阪府出身。日本初の遺品整理専門会社「キーパーズ有限会社」代表取締役。独居老人の増加に伴い身内の遺品の整理で困っている人が多いことに着目し、「天国へのお引越し®」をキャッチフレーズとした同社を設立。年間1500件に及ぶ遺品整理サービスを提供するほか、年間50回以上の講演活動、メディア取材で全国を飛び回る日々。まさに「親家片」のエキスパート。著書は『遺品整理屋は見た!』『孤立死 あなたは大丈夫ですか?』(以上扶桑社)、『私の遺品お願いします。』(幻冬舎)ほか多数。さだまさし原作の映画『アントキノイノチ』のモデルとしても知られる。
キーパーズホームページ http://www.keepers.jp/

2015/03/06 | キーワド: , , , | 記事: