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遺品整理のプロ 吉田太一の「親家片のススメ」 第20回 ~早めに親の家を片づけないといけない理由~

賃貸物件に住んでいた場合や、売買、相続などケースはさまざま

親の代わりに子どもが、親の家を片づけないといけなくなるケースは増加しています。

●親が亡くなった場合

●親を実家から自分の家に呼び寄せて同居する場合

●親が高齢者施設に入所したり、病院に入院する場合

どれも早急に行わなくてはならない場合が多く、片づける側にとっては大きな負担となっているのも事実です。

 

最も多いのは、親の部屋が〝賃貸住宅〟だったために、月末までに遺品を撤去して部屋を明け渡さなければ、翌月も家賃を支払わなければならないという、現実的な問題です。

 

親がたくさんの財産を遺しておいてくれれば、1カ月や2カ月の空家賃を支払うぐらいは気にならないでしょうが、家賃の滞納があったり、ほとんど財産がないケースが多いのも実情で、遺族となる子どもさんが滞納分や空家賃を払わなければならないという場合もよく目にします。

 

賃貸住宅ではなく持ち家であっても、次のような場合には、早い段階での片づけが必要になります。

 

●親が亡くなったあと自分たちが実家に住むので、不要な遺品を整理して家財を減らさないと、自分たちの家財道具を入れる場所がなく引っ越しできない。

すでに家財道具の多くはほとんどそろっているので、実家に残っている家財道具をそのまま使用する必要がないのです。

 

●空き家になった親の家を賃貸物件として貸すにあたり、家財道具を撤去して室内を空っぽにしないといけない。

賃貸物件として貸すためには、多少なりともリフォームしないといけませんので、借り手が決まっていなくても部屋の中の遺品を片づけてしまわないと話が進まないのです。

 

●親の住んでいた家の土地が借地のために、家屋を解体して更地にして地主に返さないといけない。

家屋を解体する場合、家財道具は搬出しないと解体工事はできないので、先に室内を空の状態にする必要があります。

 

●親の家の購入希望者がいて、その期限があるために遺品を撤去して室内を内覧できる状態にしなくてはいけない。

室内に家財道具が多く残っていると、確認できないところが出てくるため、購入希望者が躊躇してしまう材料になりかねなません。

 

●故人の相続税や借金を支払うために実家を売却しないと支払いができない場合や、建て替えないといけない場合。

親が不動産以外の財産を残していなかった場合、不動産を売却して相続税など必要な支払いに充てるための現金に換える必要があります。

 

●相続人が複数おり、不動産では分配できないので現金化しないといけない。

遺産分割協議を完了するために、至急、不動産を現金化したいというケースが最近多いようです。

 

このように必要に迫られる具体的な理由のある人は大変だなと思っていましたが、一方で「特に片づけなければいけない理由もない」とおっしゃる方も最近は増加しています。

 

吉田太一(よしだ たいち)
1964年生まれ。大阪府出身。日本初の遺品整理専門会社「キーパーズ有限会社」代表取締役。独居老人の増加に伴い身内の遺品の整理で困っている人が多いことに着目し、「天国へのお引越し®」をキャッチフレーズとした同社を設立。年間1500件に及ぶ遺品整理サービスを提供するほか、年間50回以上の講演活動、メディア取材で全国を飛び回る日々。まさに「親家片」のエキスパート。著書は『遺品整理屋は見た!』『孤立死 あなたは大丈夫ですか?』(以上扶桑社)、『私の遺品お願いします。』(幻冬舎)ほか多数。さだまさし原作の映画『アントキノイノチ』のモデルとしても知られる。
キーパーズホームページ http://www.keepers.jp/

2015/03/05 | キーワド: , , , | 記事: