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遺品整理のプロ 吉田太一の「親家片のススメ」 第19回 ~親家片で引き継がれるもの~

家財道具だけではない。
お墓や不動産のことも頭に入れておく

 

親が亡くなると、さまざまな物が遺されて引き継ぎをすることになります。その中には品物だけではなく、代々伝わる家訓やしきたりもありますよね。

それらはしっかり考えてから引き継がないとあとで大変なことになる場合も多いので、十分に確認しておかなくてはいけません。

 

「親家片」では主として次の事柄の引き継ぎが重要です。

不動産、現金や預貯金、有価証券などのプラスの財産

引き継ぐということは、法律上では相続することになります。

現金や預貯金は、遺産分割協議を行い、相続人を決定するだけで引き継げるのですが、有価証券などはそのあとの名義を変更しなければなりません。

不動産の場合は、遺産分割協議が完了して相続人が確定しても、法務局に行って相続登記を完了しなければ引き継いだことにはなりません。

また、不動産を引き継がず売却しようとする際も、相続後にいったん自分の名義に相続・登記してからでないと売却できません。

 

●借金やローンなどのマイナスの財産

誰でも引き継ぎたくない借金やローンは、法律上引き継がないという選択もできるようになっています。

ただし、引き継がない場合はマイナスの財産だけでなく、プラスの財産も同時に放棄しないといけないように法律上決められています。

一般的には、プラスの財産がマイナスの財産を大きく上回っていない場合は、相続放棄の手続きを選択する人が多くなっています。

なお、相続放棄をする場合は、親が亡くなった事実を知った日から3カ月以内に手続きをする必要があります。その期間が過ぎてしまうと、自動的に相続することを認めたとみなされてしまいます。

 

●親の生活を支えてきた遺品といわれる家財道具

親の家には、親が生活のために使用してきたさまざまな家財道具が遺されています。これを遺品といいますが、厳密にいうと遺品もまた相続財産ですので、親が亡くなると所有権は相続人に引き継がれます。

ですので、親が賃貸住宅に住んでいた場合でも、相続人である子どもが親の所有物の片づけをしなくてはならないわけです。

 

 

●代々引き継がれてきた墓地や仏壇などの祭祀具

特に法律では定められていませんが、墓地は先祖代々引き継がれてきた、亡くなったあとに住む家のようなもので、いずれ自分も死んだらそこに同居するわけです。やはり遺族が引き継ぎ管理する必要があります。

また、仏壇はお位牌とともにご先祖さまや亡くなった親族をお祀りし、対話をするためのものだともいわれています。ただし、無宗教の場合や他の宗教の場合はそれぞれの考え方によります。

 

吉田太一(よしだ たいち)
1964年生まれ。大阪府出身。日本初の遺品整理専門会社「キーパーズ有限会社」代表取締役。独居老人の増加に伴い身内の遺品の整理で困っている人が多いことに着目し、「天国へのお引越し®」をキャッチフレーズとした同社を設立。年間1500件に及ぶ遺品整理サービスを提供するほか、年間50回以上の講演活動、メディア取材で全国を飛び回る日々。まさに「親家片」のエキスパート。著書は『遺品整理屋は見た!』『孤立死 あなたは大丈夫ですか?』(以上扶桑社)、『私の遺品お願いします。』(幻冬舎)ほか多数。さだまさし原作の映画『アントキノイノチ』のモデルとしても知られる。
キーパーズホームページ http://www.keepers.jp/

2015/03/04 | キーワド: , , , , | 記事: