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遺品整理のプロ 吉田太一の「親家片のススメ」 第16回 ~空き家になった親の家の仏壇の処理に迷ったら~

事情があって引き取れないならば供養を

 

「遺品整理をしようと思うんだけれど、仏壇はどうしたらいいのでしょうか?」

そう質問されたので、私は深く考えずに答えました。

「ご自宅までお運びしましょうか」

 

ところが、「仏壇をどうすればいいのか」という問いには、単なる物の移動とは違った意味合いがあったのです。

「いえ、うちには置き場がないので……」

どうも自分は引き取りたくないので、私どもに処理を任せたいという趣でした。他の兄弟も同じような考えで、積極的に引き取ろうという遺族はいませんでした。

 

結局、仏壇の行き場が決まらないうちは遺品整理ができないという結論に至り、引き取り先が決まり次第ご連絡をいただくことになりました。

 

最近はこのように仏壇を引き取りたくないという遺族が増加しています。なぜ、仏壇を引き取れないのでしょうか?

一番の要因は、設置スペースの問題です、昔の家には仏壇を置くためだけの部屋があったり、床の間の横に仏壇を設置できるよう設計段階からスペースを確保していました。しかし、最近は仏間どころか仏壇を置くスペースすらなく、冷蔵庫のような大きな仏壇ともなれば、邪魔な存在でしかなくなりました。

 

もっとも、「引き取れない……」とはいうものの、そこにはある種のためらいが見て取れるのも事実です。仏壇をごみと同じように捨てるわけにはいかない、との思いは感じられます。

 

仏壇や故人の愛用の品などを供養するサービス

 

仏壇は引き取れない、かといって、ごみと一緒に処分はしたくない……。そうした方々を数多く見てきたことで、キーパーズは仏壇の供養サービスも提供することにしました。

仏壇だけではありません。アルバム、人形、布団、衣類……。故人が大切にしていた物や愛用していた物などを処分する前にお預かりし、僧侶を招き供養をするというものです。

 

そのまま捨てるのは偲びないという気持ちをお持ちの方に対して提供しているサービスです。日本で最初の遺品整理専門業者を名乗るからには、このような供養をすることによって、天国へ届けてあげるのは当然の責務だと考えたのです。

創業以来、キーパーズの各店には、祭壇を設置して供養祭を行うための日本初の供養専用ホールや供養専用スペースを設置しております。最近は供養祭にご遺族が参列されることも多くなりました。

このような遺品の供養祭を、私どもは遺品のお葬式とも考え、故人の元へ届けてあげたいとの思いで行っています。

 

 

吉田太一(よしだ たいち)
1964年生まれ。大阪府出身。日本初の遺品整理専門会社「キーパーズ有限会社」代表取締役。独居老人の増加に伴い身内の遺品の整理で困っている人が多いことに着目し、「天国へのお引越し®」をキャッチフレーズとした同社を設立。年間1500件に及ぶ遺品整理サービスを提供するほか、年間50回以上の講演活動、メディア取材で全国を飛び回る日々。まさに「親家片」のエキスパート。著書は『遺品整理屋は見た!』『孤立死 あなたは大丈夫ですか?』(以上扶桑社)、『私の遺品お願いします。』(幻冬舎)ほか多数。さだまさし原作の映画『アントキノイノチ』のモデルとしても知られる。
キーパーズホームページ http://www.keepers.jp/

2015/02/26 | キーワド: , , , , , | 記事: