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スッキリ生活アドバイザー宮城美智子の「片づけ上手は老い上手」 番外編 その3 親家片を親子トラブルにしないコツ  〜親家片をする目的を考えて〜

そもそも「親の家を片づけよう!」と思った理由はなんだろう。「散らかっているのはよくない、片づけるべきといった“一般常識”を振りかざしても、親の気持ちは『片づけ』には向かわない」と宮城さんは言う。

 

片づけた先の生活をイメージして

 

「年を重ねてくると、手の届く範囲にモノを置くようになりがち。そうすると、だんだん生活動線が確保できなくなっていきます。モノにつまずき、家のなかで転んで怪我をしてしまう危険性も。実は、お年寄りの転倒は外出先よりも家の中にいるときのほうが多いと言われているのです。

 

また、大きな地震がきたときには、モノが雪崩のように落ちてきたり、そのモノの下敷きになってしまう可能性もあります。床にモノを置きっぱなしにしていると、ひとたび火がつけば、あっという間に燃え広がってしまいます。

 

こうした危険をなくすために片づける、というのは親家片の大きな理由のひとつで、親自身も『片づけないといけない』と納得するものだと思います。それに、モノが積み上がっているような状態では、掃除もなかなか行き届かず、次第に家中がホコリっぽくなってしまいますよね。

 

『これからの人生を、健康的に気持ちよく暮らすための片づけなんだよ』と理由をしっかり話してからスタートすると、「むやみにモノを捨てさせられる」と、親が悲観的になることも少なくなるのではないでしょうか」

 

同居や介護施設への入居するときの親家片は……

 

一方、子ども家族との同居や、高齢者施設への入居などで住み替えをする場合、親家片をする目的はより明確。今よりも小さな居住スペースに移るケースが多いので、モノを選別する必要があるからだ。

 

「高齢者施設の部屋は、だいたい18平米(9〜10畳)くらいが一般的です。そこに入るモノの量を考えると、だいたい押し入れひとつ分。段ボール20箱が目安です。『快適に暮らす』ことが目的の親家片では、段ボール20箱までモノを減らすことは至難の業かもしれません。でも『モノを減らさなければ引っ越しができない』という目的があれば、20箱に納めるのは決して無理なことではありません。

 

まず住み替え後の生活を具体的にイメージします。そして、『自分の暮らしたい場所に移るためには、20箱以上は持っていけないんだ』と心の整理をするのです。私はいつも『自分の好きなもの、今の自分に必要なものだけを入れてくださいね』とお話しています。そうすると、たいていの方は迷うことなく、ご自分がいちばん大切にしているものだけを選別して荷造りをされます。モノを選ぶことが、これからの人生をどう生きていきたいかを考えることにつながるんですね」

 

モノの整理は、心の整理。親自身がこれからどんな生活を送っていきたいのか、そのイメージを親子で共有することがまずは大切だ。片づけの先にあるビジョンにあわせて進めれば、親子ともに同じ方向をむいて、トラブルとは無縁の親家片ができるだろう。

 

取材・文/浦上藍子

 

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宮城美智子さんプロフィール画像edited宮城美智子 みやぎ・みちこ スッキリ生活アドバイザー、収納コーディネーター

1947年滋賀県生まれ。50歳からアート引越センターに勤務し、主婦経験を生かしてアートエプロンサービス(家庭内の片づけをサポート)の担当部長となる。片づけや掃除の独自のノウハウを構築し60歳で独立。現在はハート引越センターの収納サポートレディ育成のほか、高齢者住宅の収納プランニング、講演活動、テレビ・雑誌などで活躍中。これまで1万人以上の片づけをサポート。特に高齢者の家にあふれるモノの整理をアドバイスし、多くの人から感謝されている。

宮城美智子オフィシャルサイト  http://theworks.co.jp/miyagi/
ハート引越センター http://www.hikkoshi8100.com/