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遺品整理のプロ 吉田太一の「親家片のススメ」 第12回 このまま家を維持することでかかる費用を計算する

時間をかければかけるほど財産が減っていく

親の家を片づけようとすれば、時間も労力もかかります。「面倒だなあ」と感じてしまうのも仕方ありません。特に、親が住んでいた家が自己所有だったら、「そんなに焦らなくてもかまわない」と、ついつい先送りをしてしまう人が多いのではないかと思います。

しかし、時間の経過とともに意外な出費が発生していく場合があります。

 

持ち家を維持するか、価値があるうちに売却するか

「自分の家を今売って賃貸マンションや高齢者専用住宅に入った場合の10年後の家賃総額と、10年後の自分の家の価格の目減り額と生活しながらかかる補修代などの経費の合算額の、どちらが大きいのだろうか」

 

先日、ある方とこんな話になりました。

もちろん10年後の不動産価格は、今の段階では想像の金額でしかないのですが、そのときには、もしかすると前者のほう(今売却する)が、メリットが高いかもしれないのではないか、という意見で一致しました。

 

「親家片」に直面している方々にとっても無縁ではない話です。

もっと早くこのような計算をしていたらかなりの金額が助かったのに……。

でも過ぎ去った10年間の損失は、二度と取り戻すことはできません。

「気づいたのが遅かったですね、もう諦めるしかないのです」といわれないように、今のうちから現状を把握することをお勧めします。

 

吉田太一(よしだ たいち)
1964年生まれ。大阪府出身。日本初の遺品整理専門会社「キーパーズ有限会社」代表取締役。独居老人の増加に伴い身内の遺品の整理で困っている人が多いことに着目し、「天国へのお引越し®」をキャッチフレーズとした同社を設立。年間1500件に及ぶ遺品整理サービスを提供するほか、年間50回以上の講演活動、メディア取材で全国を飛び回る日々。まさに「親家片」のエキスパート。著書は『遺品整理屋は見た!』『孤立死 あなたは大丈夫ですか?』(以上扶桑社)、『私の遺品お願いします。』(幻冬舎)ほか多数。さだまさし原作の映画『アントキノイノチ』のモデルとしても知られる。
キーパーズホームページ http://www.keepers.jp/