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スッキリ生活アドバイザー宮城美智子の「片づけ上手は老い上手」 番外編 その2 親家片を親子トラブルにしないコツ  〜親家片に焦りは禁物です〜

親家片の最中に多くの人がぶつかる壁は、親がモノを捨てたがらないということ。「まだ使える」「いつか必要になるかも」。ただし、そこで業を煮やして「捨てなよ!」とキツい言葉を投げかけてしまうと、親子トラブルに発展しかねない。そんなとき宮城さんがおすすめするのが「3つの箱」を使った仕分け術だ。

 

1年間の期限つきで判断に迷うものを保管して

 

「宮城流の片づけは、場所ではなくモノに焦点をあてて取り組みます。親が一番気になっているモノはなんでしょう? 洋服? 本? 食器? いちばん大切にしているモノから取りかかるのがおすすめです。

片づけるモノが決まったら段ボールを3つ用意して、『いる』『いらない』『?(はてな)』とラベリングします。そして、洋服や食器など片づけたいモノを一度全部出して、『いる』『いらない』『迷っているモノ』と箱に仕分けしていくのです。

 

『いる』に選抜されたメンバーは、取り出しやすく収納します。『いらない』と判断したものは、処分。もし親が捨てること自体に罪悪感を持っている場合は、『お嫁に出そうね』など声をかけて、リサイクルショップに持っていったり、人にもらっていただくのもいいですね。そして『?』に入ったモノは、段ボールごと保管します。段ボールに作業をした日付を書いて『一年経っても開けなかったら、処分しよう』と約束しておきましょう」

 

こうしておけば、処分に迷うモノを強引に捨てなくてもすむ。1年以内に取り出して使うのなら、捨てる必要のなかったモノと判断。1年が過ぎても段ボールを開けることがなければ、そのときは処分すればいい。「1年間必要としなかった」ということが目に見える形でわかり、親も納得してモノとお別れすることができるのだ。

 

 

心の整理をつけるには時間をかけることも必要です

 

「私が以前お手伝いをした方で、段ボール20箱分もの『?』ボックスができてしまった人がいました。今すぐ使うわけではないけれど、どうしても捨てられない……。でも20箱もの段ボールを部屋に置きっぱなしにしたら、箱に囲まれて生活する状態になってしまいます。そこで、トランクルームを借りることにしました。1カ月1万6000円の賃料で、1年契約。20箱の段ボールがトランクルームにおさまりました。

 

さて1年後、『トランクルームはどうしますか?』とおたずねしたら、『実は1年間、1度もトランクルームへ行かなかったのです。もうそのまま全部処分しちゃってください』とおっしゃいました。

時間がかかっても、心の整理ができれば未練はすっぱりなくなるもの。トランクルームにかけたお金はムダのように思われるかもしれませんが、迷っているうちに強引にお別れする心の痛みを考えれば、必要な経費だったともとらえられます。子ども側は『とかく合理的に、効率的に』と考えがちですが、親の心の整理ができるまで待つ、というゆとりも大切ですね」

 

子どもが主体となって要・不要の判断をしようとすると、どうしても軋轢が生まれる。親自身が納得して「残すモノ」「処分するモノ」を決めることが、円満な親家片の何よりのポイントといえそうだ。

 

取材・文/浦上藍子

 

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宮城美智子さんプロフィール画像edited宮城美智子 みやぎ・みちこ スッキリ生活アドバイザー、収納コーディネーター

1947年滋賀県生まれ。50歳からアート引越センターに勤務し、主婦経験を生かしてアートエプロンサービス(家庭内の片づけをサポート)の担当部長となる。片づけや掃除の独自のノウハウを構築し60歳で独立。現在はハート引越センターの収納サポートレディ育成のほか、高齢者住宅の収納プランニング、講演活動、テレビ・雑誌などで活躍中。これまで1万人以上の片づけをサポート。特に高齢者の家にあふれるモノの整理をアドバイスし、多くの人から感謝されている。

宮城美智子オフィシャルサイト  http://theworks.co.jp/miyagi/
ハート引越センター http://www.hikkoshi8100.com/