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スッキリ生活アドバイザー宮城美智子の「片づけ上手は老い上手」 第13回 ~60歳で住まいのサイズダウン。持ち物の3分の2を処分~

たくさんの高齢の方の家を片づけ、80代のお母様が多くのモノを抱え込んだまま認知症になってしまった姿を目の当たりにし、宮城さんはご自身の「住まいのサイズダウン」を決意します。

「60代で思いきってモノを減らしておいたほうが、その後の人生、楽に老いていけるのではないか……」。こう思った宮城さんはどのような行動に出たのでしょうか。

シンプル生活を実現させるため、
理想の家を建てることに

 

私が20代で家庭を持ち、60歳目前までの35年間住み続けてきた家は、2階のある3LDKの一軒家。子ども2人も結婚して独立していたので、その家にひとりで暮らしていました。

 

正直言って、ひとり暮らしには広すぎるし、その気になればすべて1階でこと足りるので、「こうなると2階というのは無駄ね。高齢者が2階の部屋を物置状態にしてしまうのもわかる」と思ったものです。また、この際だから、自分で管理できる量にモノを減らしたいという気持ちがわき、家のリフォームを考え始めていました。

 

そんなとき、息子が事務所を建てることになり、同じ敷地内に二世帯住宅を新築してはどうか、という話が持ち上がったのです。定年退職もすることだし、これはいい機会だと思いました。これまで住んできた家を売り、注文住宅で自分の希望に沿った新しい家を建て、暮らしをサイズダウンしよう。住み替えをきっかけに、身の回りをシンプルにして、身も心もすっきりとした第二の人生をスタートさせようと決心しました。

 

当時は、定年で退職したら仕事をセーブして年金生活をするつもりでした。ダイビングが趣味なので、できれば1年の半分は沖縄で暮らしたい。だったらなおのこと、住まいはコンパクトでいいはずと考えたのです。

そこで、新しい家では、私は1階で暮らし、息子一家の住まいを2階につくることに。

 

新しい家でどんな生活をしたいのか。それを柱にモノも整理

この家で、どんなことをするのかイメージを膨らませてみると……。ときには息子や娘たち一家と集まって楽しい時間を過ごしたい。ご近所で片づけの個人レッスンを希望する方に自宅で教えたい。好きな花に囲まれて暮らしたい。この3つが浮かんだのです。

 

そこで、これを3本柱にして、具体的な間取りを考えました。人の集まるリビングは広めにして、飾った花が目立つように、できるだけ無駄なものは置かないことにする。このリビングに続く形で、5畳のキッチンや10畳の寝室をつくる。そして、将来、車イスになってもいいように、床の段差はなくしました。

つくりつけの収納スペースは、寝室のクローゼットと狭い戸棚だけ。あとは、ベッドの下に引き出し、リビングにはサイドボード、台所に小さな食器棚を置き、これらにおさまるだけの家財道具を新居に移すことにしました。

 

「これでは、収納スペースが少ないのでは!?」と思われるかもしれません。一般的に、片づいた家にするためには、収納スペースは多いほうがいいと考えがちです。しかし、モノの収納場所がたくさんあると、それだけモノをため込む傾向に。もしも収納スペースを多くするなら、死蔵品を作らないよう、それなりの工夫も必要になります。

 

私は定年後の第二の人生を、必要なモノや好きなモノだけに囲まれて、身軽に楽しく過ごしたいと思いました。もうため込む生活とは、お別れです。必要最小限の収納スペースを決めて、その枠の中におさまるだけのモノを持って暮らすことに決めたわけです。

 

新しい家の建築中、その限られた収納スペースの容量を頭に思い浮かべながら、次のようにモノの処分をしました。

 

(第14回へ続きます)

 

 

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宮城美智子さんプロフィール画像edited宮城美智子 みやぎ・みちこ スッキリ生活アドバイザー、収納コーディネーター

1947年滋賀県生まれ。50歳からアート引越センターに勤務し、主婦経験を生かしてアートエプロンサービス(家庭内の片づけをサポート)の担当部長となる。片づけや掃除の独自のノウハウを構築し60歳で独立。現在はハート引越センターの収納サポートレディ育成のほか、高齢者住宅の収納プランニング、講演活動、テレビ・雑誌などで活躍中。これまで1万人以上の片づけをサポート。特に高齢者の家にあふれるモノの整理をアドバイスし、多くの人から感謝されている。

宮城美智子オフィシャルサイト  http://theworks.co.jp/miyagi/
ハート引越センター http://www.hikkoshi8100.com/