専門家に聞く

掲載後、体験者を中心に予想以上の反響 読売新聞「親の家 片付ける」連載記事 担当記者が見た、感じた「親家片のリアル」 第1回~誰かにわかってほしい、聞いてほしい~

読売新聞は昨年8月、「親家片」に関する連載記事を朝刊生活面(全国版)で、4日間にわたり掲載。その反響が大きかったため、9月には続編として、読者から寄せられた体験談や意見を2回にわたって紹介し、年末には「親家片」ブームを総括する記事も掲載した。読者からは体験談や感想が100通以上寄せられ、生活面としては反響の大きい記事のひとつだったという。

 

記事では、主婦の友社の「親家片本」に携わるスタッフも取材を受けているが、「親家片の現場を見て、生の声を聞いて記者は何を感じたのか?」と、今回はこちらから取材依頼をすることに。記事を担当した読売新聞東京本社編集局生活部の宮木優美さんに、記者の目から見た「親家片」を聞いた。

 

 

誰かに聞いてほしかった……。口にできなかった思いをぶつけるかのように書き綴った手紙の数々

 

 

「親の家 片付ける」の記事が掲載された翌朝、出社した宮木さんを驚かせたのは、読者から届いたファックスの山だった。どれも長年誰にも話すことのなかった思いが、ぎっしりと詰まったものばかり。

同様の手紙やメールも続々と届くようになり、掲載から3カ月がたったころ「あの記事を読んでからずいぶんたちますが、今になって我が家の親家片問題が深刻になりました」と、メールを送ってくれた読者もいたという。

 

「正直、びっくりしました。ここまで反響が寄せられるとは、予想以上でした」(宮木さん)

 

ほとんどが過去の体験。10年以上も憎しみを抱えたままの人も

 

年齢や性別が書かれていないものも多かったので正確ではないが、いちばん多かったのは50代、その次が60代、そして70代、40代と続く。全体の7割くらいが女性からの声だったという。

 

「いただいた手紙を読んで感じたのは、ああ、みなさん話をしたかったんだな、ということでした。片づけている最中は気持ちに余裕がないのもあり、『現在進行中です』といった内容のものはほとんどなかったんです。

多くが過去の体験談なのですが、そのときの怒りや、やりきれない思いが、まるで最近経験したことのように、詳細に書かれていました。なかには10年も前の片づけ経験を綴られている方も。10年もたてば、どんな憎しみもたいていは消えているものだと思いがちですが、その方はずっと心に残ったまま。10年続く怒りや戸惑いの気持ちは、相当なものです。それほど大変な経験をされたということです」

 

(第2回へ続きます)

 

取材・文/小山まゆみ

 

宮木優美さん
読売新聞東京本社 編集局生活部 記者
2003年に読売新聞東京本社に入社。青森支局、川越支局で、地域で暮らす人々を取り巻く問題を取材。2008年からは生活部で、衣食住に関する話題や、家族、親子をめぐる問題、働く女性が直面する問題などを取材している。