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スッキリ生活アドバイザー宮城美智子の「片づけ上手は老い上手」 番外編 その1 親家片を親子トラブルにしないコツ  ~親のモノを認めることから始めましょう~

 

スッキリ生活アドバイザーとして、講演会やテレビ、雑誌、書籍などで活躍中の宮城美智子さん。これまで1万人以上の片づけをサポートしてきた宮城さんに、親子がお互いに気持ちよく、心にしこりを残さずに「親家片」をするための心得をうかがいます。

 

リードするのではなく、後押しする言葉を心がけて

 

親のモノの片づけを手伝うときに、子どもが一番に心に留めておきたいのは「否定的な言葉を使わないこと」だという。

 

「私も経験がありますが、子どもに『なんでこんなくだらないモノをとっておいたんだよ!』『さっさと捨てちゃいなよ!』なんて言われると、親って本当にがっくり落ち込んじゃうんですね。子どもに叱られている自分が情けない……と思うんです。

 

私の場合は、子どもの通知表。私にとってはかけがえのない宝物でずっと残しておいたのですが、子どもにとっては褒められた成績じゃない通知表なんて、汚点なんですね(笑)。「こんなもの捨てて!」とバッサリ。

 

でも一事が万事、こんなふうに親と子の価値観は違うものです。とくに親世代はモノがない時代に苦労して働き、高度経済成長の時代を生き抜いてきました。今はモノがあふれる時代になったけれど、どうしても捨てることに罪悪感があるんです。だからいきなり子どもがやってきて、『シンプルな暮らしのほうがいい!』『必要ないモノは捨てて!』と言われても納得できません。かえって拒否反応が出てしまいます」

 

片づけるのは親のもの。親の「モノ」をまずは認めて

実際に、宮城さんのところには、「片づけはしたいけれど、子どもには頼りたくない」「子どもに私のモノを勝手に整理されたくない」と相談にやってくる親世代も多いという。

 

 

「価値観の違う者同士が片づけをするのですから、親を尊重することを忘れてはダメ。とくに、否定的な言葉には気をつけなければいけません。

 

たとえば何本もハサミが出てきたとき。『こんなにハサミを持っていてどうするの、1本あればいいでしょ!』とストレートに言われたら、親は傷つきます。でも『この中で使うのは何本?』と聞いてみたらどうでしょう?『1本だよ』『2本あれば十分だよ』と必要な本数を答えてくれますよね。

 

たくさんの写真を整理するときも、『この中でお母さんがいちばんキレイに写っているのはどれ? 教えて?』と言葉をかけてみるのはどうでしょうか。『コレとコレがいいわ』と、お気に入りの写真を抜き出してしまえば、親自身が『あとは処分しようかしら』とすっぱり判断することも、実は少なくありません。

 

親家片で片づけるのは、あくまでも親のモノ。まずは、親が持っているモノ、捨てられない気持ちを認めてあげてください。親のモノを認めることは、親の生き方を認めること。子どもがぐいぐいリードして片づけていくのではなく、親の決断を後押してあげる言葉がけを心がけましょう」

 

親も子も、お互いに気持ちよく親家片すすめるためには、遠慮のない物言いはご法度。「子どもに捨てさせられた」というしこりを残さず、気持ちよく片づけがすすめられる「ポジティブな後押し言葉」をぜひ実践したい。

 

取材・文/浦上藍子

 

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宮城美智子さんプロフィール画像edited宮城美智子 みやぎ・みちこ スッキリ生活アドバイザー、収納コーディネーター

1947年滋賀県生まれ。50歳からアート引越センターに勤務し、主婦経験を生かしてアートエプロンサービス(家庭内の片づけをサポート)の担当部長となる。片づけや掃除の独自のノウハウを構築し60歳で独立。現在はハート引越センターの収納サポートレディ育成のほか、高齢者住宅の収納プランニング、講演活動、テレビ・雑誌などで活躍中。これまで1万人以上の片づけをサポート。特に高齢者の家にあふれるモノの整理をアドバイスし、多くの人から感謝されている。

宮城美智子オフィシャルサイト  http://theworks.co.jp/miyagi/
ハート引越センター http://www.hikkoshi8100.com/