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遺品整理のプロ 吉田太一の「親家片のススメ」 第6回 ~何を形見分けすればいいのか?~

形見分けをするのかもふくめ、
形見に対する価値観は人それぞれ

 

形見分けとは、故人が遺した遺品の一部を遺族が引き継いで保存したり、利用することですが、このようなものは必ず形見としなければならないという決まりはありません。

形見としての価値観は人それぞれですので、車や家を親の形見だからと大切にしている人だっているのです。

 

ですので、形見分けをしてあげないと故人に申し訳ないだとか、冷たい奴だと思われるなどと考える必要はありません。

 

よく形見とされるものとしては、やはり時計や宝飾品が多いでしょうか。特に高価かどうかが判断基準になるわけでもなく、故人が身に着けていた比較的小さい品物や、写真や日記を形見の品とする人も多いようです。

 

引き出しにしまってしまうモノより、日常で手にとるものを

物を大切にする意味と同じで、ずっと見ることも使うこともなく仕舞ってしまう物よりも、実用的な物を引き継ぎ、使えなくなるまでずっと大切に活用させてもらったほうが故人も喜んでくれるような気がします。

 

亡くなる前に親とよくコミュニケーションをとっておき、親の希望していた品を形見としてもらうのが一番いいのではないでしょうか。

生前に話をした記憶や親の言葉を形見として引き継ぎ大切にすることも、よい形見分けだと思います。

 

私どもでは骨董品らしきものは、できるだけ形見として引き取っていただくようにお伝えしていますが、最近は引き取ってくれないご遺族も増えてきました。

また、アルバムの写真を持っていく方は多いのですが、最近は写真を画像として取り込み、CDなどに焼いて保存し、実際の写真やアルバムは供養と処理を依頼される方も多くなりました。時代とともに、価値観というものは変化していくものなのですね。

 

形見は自分の気持ち次第です。大切にずっとしまっておくだけでは意味がないと思うのです。ときどき使う物とか、たまに手に取って眺めながら故人との思い出を回想するとか、それを見ると勇気や元気が湧いてくるような物を形見の品とするとよいのではないでしょうか。

 

吉田太一(よしだ たいち)
1964年生まれ。大阪府出身。日本初の遺品整理専門会社「キーパーズ有限会社」代表取締役。独居老人の増加に伴い身内の遺品の整理で困っている人が多いことに着目し、「天国へのお引越しR」をキャッチフレーズとした同社を設立。年間1500件に及ぶ遺品整理サービスを提供するほか、年間50回以上の講演活動、メディア取材で全国を飛び回る日々。まさに「親家片」のエキスパート。著書は『遺品整理屋は見た!』『孤立死 あなたは大丈夫ですか?』(以上扶桑社)、『私の遺品お願いします。』(幻冬舎)ほか多数。さだまさし原作の映画『アントキノイノチ』のモデルとしても知られる。
キーパーズホームページ http://www.keepers.jp/