専門家に聞く

スッキリ生活アドバイザー宮城美智子の「片づけ上手は老い上手」 第9回 ~片づけは家族、子どものためでもあるのです~

「なぜ片づけなければいけないのか」。その理由は3つあると宮城さんは言います。ひとつ目は「今を元気に生きるため」、2つ目は「身軽になって次ステージへ軽やかに進むため」。そして最後のひとつは……。

 

子どもに迷惑をかけたくないなら
多くのモノは遺さないように心がける

「片づけなくてはいけない理由」3つ目は、あとで子どもに迷惑をかけないため。

 

私に相談に来る多くの方が、「子どもに迷惑をかけたくないから整理したい」とおっしゃいます。

私自身も、すでにお話しした通り、母親の家の片づけをして、「自分の子どもには、こういう苦労をかけたくない」と思いました。そして、60歳のときに大片づけを敢行しています。

 

子どもがいない人も、モノをたくさん持っていると、身内の誰かが苦労することになのは明らかです。周囲の人に迷惑をかけないように、片づけることは人間が生きていく上でのひとつのたしなみといえます。

 

多くのモノを残したために、子どもたちに大きな負担をかけることも

もしも片づけをしないまま年を重ねたら、こんなことになるかもしれません。

 

夫を亡くしてひとり暮らしになった女性が、娘に呼び寄せられて、娘家族と同居することになりました。お母さん用に準備されたのは6畳ひと間。収納スペースは押し入れだけです。娘は「しまう場所が少ないから、たくさん持ってこないでね。使わないモノは処分してきて」と言ったそうです。

それでも、モノとうまくお別れできなかった母親は、あれもこれもと持ってきてしまった。亡くなった夫の洋服、使うあてのない鍋や食器類、置く場所のない家具類。おかげで、6畳の部屋には段ボール箱が積み上がり、廊下にまで古い家具、箱や袋があふれ……。

 

娘は「いらないモノは持ってこないでと言ったでしょう!」と激怒。同居が始まっても、母娘間には、トゲトゲしい空気が漂ったままだったそうです。悲しい話ですね。

 

また、親が亡くなったあと実家に行ってみると、誰も欲しがらないようなモノがたくさん遺されていて、後始末に困った……。こういう話は、よく聞きます。そして、子どもたちの誰がその家を片づけるかで揉めるのです。

ひとつの家族が何十年もの間、使ってきたモノは、集めてみるとかなりの量になります。それを片づけるには、時間もお金もそれなりにかかるものです。子ども世代は、まだ仕事をしていることも多く、そうそう暇な時間はありません。しかも、モノの処分に何十万円もかかるとわかったら、親を恨みたくもなります。

亡くなった親の家のモノの処分に50万円かかり、それを誰が払うかで、子どもたちの間で言い争いになり、兄弟仲が険悪になったというケースも。

 

自分がたくさんのモノを遺したせいで、子どもたちの仲が悪くなり、親である自分も恨まれる……、そんなこと誰も望んでいないですよね。多くのモノを抱えたままの老後は、自分にとっても大きなストレスだし、まわりの人たちへの多大な迷惑にもなるのです。

 

第10回へ続きます

 

宮城美智子さんのそのほかの記事はこちらをクリック

 

宮城美智子さんプロフィール画像edited宮城美智子 みやぎ・みちこ スッキリ生活アドバイザー、収納コーディネーター

1947年滋賀県生まれ。50歳からアート引越センターに勤務し、主婦経験を生かしてアートエプロンサービス(家庭内の片づけをサポート)の担当部長となる。片づけや掃除の独自のノウハウを構築し60歳で独立。現在はハート引越センターの収納サポートレディ育成のほか、高齢者住宅の収納プランニング、講演活動、テレビ・雑誌などで活躍中。これまで1万人以上の片づけをサポート。特に高齢者の家にあふれるモノの整理をアドバイスし、多くの人から感謝されている。

宮城美智子オフィシャルサイト  http://theworks.co.jp/miyagi/
ハート引越センター http://www.hikkoshi8100.com/