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スッキリ生活アドバイザー宮城美智子の「片づけ上手は老い上手」 第8回 ~身軽になって軽やかに次ステージへ~

前回は、片づけなければならない理由のひとつめをお話いただきました。まずは「今を元気に生きるため」。モノが散乱した部屋では、精神面はもちろん、転倒や怪我など身体面においても悪影響を及ぼしかねません。ではふたつめは何でしょう。

 

人生の次のステージに進むためにも、
今から身軽になっておく

 

生活というのは常に変化するものです。年月とともに家族の人数が増えたり減ったり、家庭や社会での自分の役割が変わったり、関心事の対象が変化したりします。

とくに60歳以降は、定年退職もあり、“老い”への心の準備が必要な時期といえます。

 

人生の次のステージに進むときに、モノをたくさん抱え込んでいては身動きがとれません。できるだけ身軽に次のステップを踏むためにも、片づけは必要です。片づけなくてはならない理由の2つ目はこれです。

 

日本人の寿命がのびて、私たちの“老後”は長くなりました。たとえ今は元気な60代であっても、20年後、30年後は、どのような状態になるかわかりません。「この家で最期まで過ごす」と考えていても、それが可能かどうか誰も保証してくれないのです。いつか住まいを移ることを前提として、モノの整理をしておいても無駄ではないと思います。

 

いざというとき、モノが多いことで新しい一歩を踏み出せないケースも

高齢になり、ひとり暮らしがむずかしくなると、子どもと同居するケースもあれば、高齢者用の住宅や施設に移るケースもあります。そのときに、自分の持ち物が多いと、いったいどうなるのでしょう。

 

高齢者住宅に入ることになったのに、自宅のモノをどうしても手放せずに、とうとう入居を断念した人もいます。

同じように持ち物が多く、転居にあたって悩んだ末に、「とにかく、できるだけたくさん持って入居し、あとで処分する」と決めた人も。こういう人は、案外多いようです。では、入居後に片づいたかというと……、持ち込んだモノが収納スペースにおさまりきらず、部屋は段ボール箱だらけ。どうしたらいいかわからず、混乱してしまって、体調を崩し入院した方がいました。

 

病気にならないまでも、持ち込んだモノが整理できず、ずっと手つかずの段ボール箱に囲まれたまま暮らし続けたという人もいます。

 

せっかく、神様が「長い老後」という贈り物をくださるのなら、その時間を存分に楽しみたいですよね。そのためには、体力や気力、知力のある今のうちに、身の回りをすっきりさせること。そうすると、人生の次のステージに軽やかに移行できるのです。

 

第9回へ続きます

 

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宮城美智子さんプロフィール画像edited宮城美智子 みやぎ・みちこ スッキリ生活アドバイザー、収納コーディネーター

1947年滋賀県生まれ。50歳からアート引越センターに勤務し、主婦経験を生かしてアートエプロンサービス(家庭内の片づけをサポート)の担当部長となる。片づけや掃除の独自のノウハウを構築し60歳で独立。現在はハート引越センターの収納サポートレディ育成のほか、高齢者住宅の収納プランニング、講演活動、テレビ・雑誌などで活躍中。これまで1万人以上の片づけをサポート。特に高齢者の家にあふれるモノの整理をアドバイスし、多くの人から感謝されている。

宮城美智子オフィシャルサイト  http://theworks.co.jp/miyagi/
ハート引越センター http://www.hikkoshi8100.com/